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【平成24年度】

本日開会の平成24年第1回町議会定例会に臨むにあたり、平成24年度の主要施策の大要と、町政運営に関する所信を申し述べ、議員各位をはじめ、町民皆様のご理解とご協力をいただきたいと存じます。 

今年の冬は、左沢の積雪量が観測史上最大値を記録し、日常生活は勿論のこと、屋根の雪下ろし中の事故が多発すると共に、家屋や農業用パイプハウスの倒壊、果樹の枝折れなど、大きな被害をもたらしました。一方、道路等の除排雪は、関係者の献身的な努力により他市町村よりきれいだ、走りやすいなど、励ましの言葉を随所で聞くことができました。厳しい今冬ではありましたが、確実に春の訪れは近づいております。

国指定史跡「左沢楯山城跡」一帯は、やわらかな春の日差しをいっぱいに浴び、穏やかな明日の大江町を見守っているかのようであります。

 

町づくりを推進する中で大切なものは、その時代背景にある政治、経済、思想、価値観などを熟慮した上で、町民の幸福を第一に、安心・安全そして安定した継続性のある住みよい町づくりを希求する姿勢であります。先人のたゆまぬ情熱と血と汗のにじむような努力によって現在の大江町があることを肝に銘じて、また、将来に向けて持続できる町づくりのために町民と課題を共有しながら、解決に向け果敢に取り組んでいくことが重要であります。 

顧みますと、本職の1期目は、あたたかい「友だち力」に支えられ、教えられ、導かれた、あっという間の四年間でありました。決して満点でなかった舵取りでしたが、あたたかい風の吹く町づくりを目指した「評価と課題」が確かに読み取れたところであります。

議員各位をはじめ、町民皆様のご理解とご協力を得て、町職員の努力が功を奏した結果であると思う時、ここに改めて厚くお礼申しあげます。また、214日執行の町長選挙に際しては、格別のご厚情を賜り、お蔭さまで無投票当選の栄に浴することができました。この間に寄せられました各方面からのあたたかいご支援に対しまして、深甚なる感謝を申し上げます。

 

2期目のスタートにあたり、町民皆様と真摯に向き合い、ご意見、ご提言、ご批判を受け止め、健全財政に意を注ぎながら、「ここに暮らす喜びをみんなが実感できる町」の実現のため、諸先輩方が積み重ねてきた基盤に立って、さらに、大江町が活気漂い、安全・安心で、若者が定住しやすい環境の整備を推進してまいりたいと存じます。 

平成24年度予算では、町民が直面している現実を素通りせず、将来に繋げるための配分を意図し、若い世代に託せるような町づくりを意識して編成したものであります。

何世代も継続され、家族として、地域として、大江町として「故郷」を支えつづけた明るく、強く、逞しい郷土愛の深さは、今まで(過去)も―今(現在)も―これから(未来)も失せることはありません。表面だけの「皮相」の生活の歴史ではなく、深い根っこ「深層」にある人間の素晴らしさが、今日の大江町を造った所以であると確信しております。

人災、天災・・・さまざまな辛難を乗り越え刻苦を凌駕し、子を育て、親を送った「普通の人」の歴史が証左であります。普通の人が普通の人の生活を送ることが出来る社会の実現こそ、町づくりの基底にあるべきものと理解しております。

大江町は、普通の人が普通に暮らせる基礎・基盤が、明らかに手の届くところにあると思料しており、他人が提示した課題ではなく、赤の他人が説く課題でもなく、与えられる宿題でもない、「自分が気づき」、「自分が宿題を作り」、「自分で解こう」とする姿勢こそが大切であります。大江町は自分の町だ、町は自分、自分は町とする「主体的な町民一人ひとりの町づくり」が果たされれば、明日にでも可能なのであります。

希望を抱いている若い方々、子育てしている方々、家族を支えている大黒柱、年を重ねた知識人・・等々、皆で、皆のために明日の大江町に夢と希望を持てるような、特別会計を含めた総額692,970万円の予算の実効は、現実の事実を軽視しない町民本位の予算であります。ご協働を切にお願い申し上げます。

 

 事実を軽視してはいけない、この箴言によれば、昨年の日本には、不調和な二重奏のような政治と現実の乖離があったように思えてなりません。国際化の波に翻弄された課題が浮き彫りになり、来年度国家予算の約50パーセントを国債に依存にする、いわば薄氷を踏むにも似た状況にもかかわらず、国民には理解しがたいような国会の様相に辟易するものを国民が感じとり、格差社会の根本的な明るい兆しは、今のところ見えていない現状にあります。国民生活の現実を軽視し、現場を看過した机上の空論が横行している、と断じた識者の指摘はあながち、空論ではないと思うのであります。 

 「魔」と言ってもいいような3月11日から一カ年。震災の現場に見える「事実」は、今もって息を飲むようなものが存在しています。中でも「原発の終息」に係る解答不能のような事故の完全終息の方程式は、国民に戸惑いと将来展望への不安とを与えております。故郷なしに自己の存在認識を成しえない日本国民にとって、「うさぎ追いしかの山・・」と故郷の歌を歌う悲しい「現実」が解消されるのはいつ来るのでしょうか。

 「現場」に潜み、国民・町民の希求する、厳然として存在する「生活の事実」は何であるか。大都会東京から発信される「事実」は、大江町の「現在の事実」と一致しているか。地球上のたった一点の大江町の現実を何処から、何方が、いかなる方法で、皮相から深層まで読み取り「課題」として認識し、時に宿題として解法する力が「大江町の全員の方々」に求められていると心底思うのであります。

生徒のいない学校は存在し得ないし、患者のいない病院はあり得ない、お客のいない経済は成立し得ない・・・見えていたと思われた「現実」は、自分の宿題にはなっていなかった。他人の宿題であった。他人の宿題を解く人はいるはずがないのであります。

 

 借金は、時と場合にもよると考えますが、少なくとも日本人の美徳ではなかった筈です。借金を債務といい、公債費と表現した主体は、「公民」をどう見たのでしょうか。健全財政は、まずもって、体質として粘着してしまった借金を可とする認識をはぎとることであります。まして、「親子二世代、三世代」ローンとして「借金」を、少々のためらいを感じながらも、半ば平然と組もうとする「当事者」は正気なのでしょうか。二十代、三十代の若い将来の人生計画を立てうる日本の将来を担う世代が、沈黙していることを良いことに、自由自在に借金計画をたてる今の日本は、正常社会でありうるのでしょうか。歴史の厳しい裁断が、明々白々、近々あきらかな予感に身の震えを覚えます。 

 「大江町の50年の連続性」は、それなりに正しい歴史的事実であります。しかし一方では、正しいことにも改善改良の変化は必要であります。外から迫られる変化と、内から湧いてくる変化とは、進化の必然であります。「連続」を断ち切るか、「不連続」に再生を求めるか、利益、不利益・継続されてきた「権益」は、激変解消可能でありましょうか。こうした社会の諸々の課題、問題を町づくりの立場から認識を新たにし、「茹で蛙現象」と評されないためにも、変化と改革を求める潮流に、英断と勇気をもって対峙することの必要性を強く感じています。

 

さて、町の財政状況でありますが、平成14年度末には85億6,200万円まで達していた一般会計の地方債残高も、平成23年度末には50億円を割り込むレベルまで縮小する見込みとなりました。この間、緊縮財政を余儀なくされ、投資的経費の抑制や人件費削減のほか、補助金削減などで町民の皆様にも痛みを分かち合っていただく事もありましたが、これも町民の方々のご理解と議員各位のお力添えがあったからこそであり、この場をお借りして改めて感謝申し上げる次第であります。 

平成22年度決算では、実質公債費比率や経常収支比率といった財政指標で比較した場合に、県内35市町村の中で「概ね中上位」に位置するまでに改善したところではありますが、依然として類似団体間での比較では厳しい水準にあることに変わりはなく、脆弱な財政基盤の上に本町財政は成り立っているのであります。また、下水道事業をはじめとする特別会計の地方債残高が、一般会計のようには目に見えて縮小していない事実、さらに国民健康保険、介護保険特別会計等においては、年々保険給付費が増加の一途を辿り、一般会計を圧迫する要因の一つとなっていることから、今後の推移を注視することが必要であります。

こうした情勢のもと、本町の財政運営を左右する地方交付税削減の流れは収束した感がありますが、本町の場合は、基礎数値となる国勢調査人口や公債費の減少などもあり、逼迫する国の財政を顧みれば決して楽観視できるものではありません。加えて、地方譲与税や地方消費税交付金なども多くは期待できない中で、今後一般財源総額が増加傾向に転じるには、景気が劇的に上向かない限り期待できないと認識しているところであります。

 一方 歳出面では、ここ数年の公債費の大幅減が歳入一般財源の減少額を上回り、財政運営に比較的ゆとりをもたらすことに貢献してきましたが、今後は下げ止まりとなる見込みであります。また、平成9年度以降減り続けていた人件費も、今後は現状維持程度で推移するものと見込まれ、扶助費や繰出金、物件費等については確実に増加傾向という側面があります。特に課題となっているのが下水道事業会計への繰出金であり、管渠工事の再開に加えて、処理場増設工事に係る借入金の元金償還が始まる数年後には、再度増加傾向に転じることは確実であります。

 

このような状況の中で、本町の財政は当面の財政運営には耐え得る体力があるものと考えてまいりましたが、この度の震災・円高等による経済状況の低迷を考えた場合、これまでのような楽観的な見通しには立てない状況であります。今後における地方交付税の動向や年々増加する行政需要、とりわけ社会資本整備事業の展開如何によっては大きな財源不足を招くことが予想されます。加えて、震災を教訓とした中央公民館などの耐震化も喫緊の課題であり、その他の公共施設等についても老朽化による大規模な修繕が見込まれます。

このため、今後の町の財政運営にあたっては、これまで蓄えてきた財政調整基金や特定目的基金の有効な活用度合が増すものと考えております。今後とも、5年後10年後を見据えた慎重かつ計画的な行財政運営を心がけるとともに、自主財源となる基金の充実、事務事業の見直しと更なる効率化・スリム化を進め、これまで以上に事業の選択と集中を進めるとともに、限られた財源の中で、より効果が発揮できるよう施策を展開していく必要があると考えております。

 

こうした認識の下、平成24年度町政運営にあたりましては、計画的かつ効率的な行財政運営を基本としながらも、町経済の活力を促す施策を展開するとともに、景気の不透明感が増す中で、町民生活の不安を少しでも取り除き、きめ細かであたたかい町づくりを推進してまいります。

議員各位には、日頃から町づくりに対してのご提言、ご意見を拝聴する中で、行政と一定の緊張感を保ちつつ、車の両輪として町政の一翼を担っていただいていることに感謝を申し上げますとともに、意志の疎通を図りながら更なる信頼関係のもと、町政運営を進めてまいりたいと存じます。

 

 それでは、平成24年度の主要施策について申し上げます。 

第1点は、まちづくり関係についてであります。

 

近年の社会情勢は、少子高齢化や情報化が急速に進展したことにより、町民ニーズはより高度化、複雑化しております。更にはライフスタイルの多様化と個々の価値観の変化に伴い、行政サービスの範囲は益々広がりを見せております。そのような町民ニーズに的確に対応するため、効率的で効果的な行財政運営を目指し、「あたたかい風の吹くまちづくり」に向けて町の基本指針となる大江町総合計画を平成22年度に策定し、平成23年度はその3本の柱である「人」「暮らし」「生業」について、それぞれ目標を掲げ町政運営に取り組んでまいりました。

また、具体的な行動の内容をお示しした「短期行動計画」も平成23年度に策定し、豊かな町づくりに向けて町政運営にあたってきたことから、平成24年度もそれらの計画に沿って、総合計画に掲げた「ここに暮らす喜びをみんなが実感できる町」の実現に向けて邁進してまいります。 

最初に、平成24年度は組織機構の見直しを実施いたします。

具体的には、総務企画課の政策推進係とふるさと振興室を統合して起業および企業の育成をはかり、また東日本大震災を教訓として有事に備えるため、総務課内に危機管理係を設置するなど、時代の要請に応えてまいります。さらに、現在本庁舎と中央公民館に分散している教育委員会の事務室を中央公民館に集約し、教育行政の一元化を図ります。その他、税務係と地籍調査係の統合や、国保医療給付部門の所管替えを実施する等、より効率的な業務体系を目指して取り組んでまいります。

 

次に、これまで町民に軸足を置き、地域の魅力と課題を探り、町民と町職員のコミュニケーションを図るために実施してきた「地域の魅力見つけ隊」は平成24年度も引き続き各集落に配置してまいります。

これまでは七軒地区の希望する集落に、有志で集まった職員を派遣して活動を続けてまいりましたが、今年度はこれを拡大して対象集落を町全域とし、職員との交流を希望する約40地区程度の地域で活動したいと考えております。

その「地域の魅力見つけ隊」の活動を続ける中で見えてきた各地区の課題や問題点を解決してもらうため、また各区のアイディアを活かし地域活動を積極的に推進していただくために、平成24年度も引き続き「集落活性化交付金」を全地区に交付いたします。今年度はさらに使いやすく、集落の規模にあった配分とし、これまで小規模集落ほど有利だった交付率を改善するとともに、交付額を増額してより充実させることにより集落を維持するための経費はもとより、伝統行事の保存・継承や共同作業に充てていただくことによって、活発な地域づくりの一助となるよう取り組んでまいります。 

 また、町民が主体となって取り組む公益的な活動や、文化的な町づくり活動を支援する「やる気→元気活動支援事業」は、平成23年度では、地区の伝統を継承しようとする継続実施団体が1団体、新規では地域防災に取り組む地区や子どもの健全育成に取り組むグループ等4団体に助成してまいりましたが、今年度も新たなニーズの発掘に努め、引き続き支援事業を実施し、町民主体の活力あふれる町づくりを支援してまいります。

 

定住対策として進めております「きらりタウン美郷」の分譲につきましては、これまで54区画が販売され、おかげさまで公民館用地として確保している2区画を除き、残りが4区画となっております。現在、分譲地には41世帯、町営住宅等には20世帯の計61世帯が居住し、自治会活動も活発に行われております。

平成23年度も順調に3区画を販売することができ、完売を目標としております平成27年度までの計画を上回るペースで進んでおり、平成24年度も早期完売に向け引き続き効果的なPR活動をおこなうなど、完売に向けて努力してまいります。

また今年度は、蛍水団地で残っております2区画に関しても、新たに定住促進の補助制度を設けるなどして、完売に向けた事業展開を図ってまいります。 

平成23年度から、スクールバスの運行区域となっている県道大江西川線沿線から外れる、いわゆる交通空白地区の方々の生活を支える交通手段を確保するため「デマンド型タクシー」を実施してまいりました。これは町内タクシー業者に委託し、運行時間帯を設定して、予約することにより格安で利用できるシステムであり、今年度5月末までの1年間は実証実験として試行し、平成24年度からは本運行を目指してまいります。

また、これまで実証実験を続けてきた中で見えてきた課題、停留所や運行時刻、また運行区域の問題を解消すべく努力してまいります。とりわけ昨年度実証運行を続ける中で、要望の多かった田の沢と矢引沢地区のデマンド型タクシー導入について、今年度本運行を実施するに当たり実現できるよう関係機関と調整を図ってまいります。

 

 駅前公有地の活用につきましては、平成22年度において取得した用地について、平成23年度は、公募による委員を中心に組織する町民検討会議で議論を重ね、将来的にどのような選択をすることがより町のためになるのかを検討してまいりました。その中で町民アンケートを実施し更なる検討を重ねてきましたが、その結果を現在集計中であります。今後は、3月19日に町民検討会議を開催し、アンケート結果を調査分析したうえで検討会議としての意見をまとめ、本職に答申されるものと聞き及んでおります。 

 大相撲夏巡業につきましては、関係各位のご尽力により8月12日に体育センターを会場にして「水郷大江舟唄場所」が開催されることとなりました。この大規模なイベントは、なかなか景気回復の兆しが見えない中で、町内産業の振興発展を願いながら、子どもと高齢者に夢と勇気を与える、またとないチャンスでありますので、町民のみなさまのお力添えをいただきながら成功に向けて邁進してまいりたいと存じます。

 

2点目は、農林業の振興についてであります。 

農業者数は年々減少し高齢化も進んでいる状況を踏まえ、作業負担の軽減とあわせ、農地の集約化の促進、生業としての所得増加につながるような各種施策を進めていかなければならないと考えています。また、これからの本町農業を背負って立つ人材を育てるため、地域農業の中心となる担い手農家の育成とともに、後継者確保や農家以外からの新規就農者が就農しやすい環境を整えていくことも必要です。そのために、個々の農家はもちろんのこと、各生産集団が様々な工夫と智恵を出し合い、将来の農業経営像を描き出し具現化するため、農家、JA等の農業関係団体、そして行政の三者が、それぞれの果たすべき役割を担っていくことが本町農業の継続発展につがっていくものであります。

 

農業者の経営基盤である農地について、国では、集落や地域が抱える人と農地の問題解決のための将来のあるべき姿として、集落や営農組合単位での話し合いの中から、「人・農地プラン」を策定するよう提唱しています。これまでの借り手への支援に加え、貸し手に対する国の支援として農地集積協力金が新設されたことを受け、農地利用における調整等を積極的に進めていくとともに、耕作放棄地の抑制と農地の有効活用に向けた取り組みを農業委員会と連携して取り組んでいきます。 

農業振興を図るための具体的な施策としては、農業経営形態が稲作と果樹等が中心となっていることから、果樹の生産振興はこれまでにも増して力を注いでいく必要がありますが、とりわけブランド化の取組みが3年目を迎えるサンルージュ等のスモモについては、産地化に向けた取り組みを強化してまいります。さらに、良質なさくらんぼ生産のための雨よけハウスの整備、他産地との競争力向上と収益の増加を図るためのリンゴの推奨品種への切り替えなどを支援し、市場での販売需要に対応した生産を推進しながら、大江町産果物のイメージアップに努めていきます。また、学校給食をはじめ地産地消の推進を図るとともに、こうした農産物の加工や販売に結びつけるため、6次産業化に向けた取り組みを支援してまいります。

 

農業は人が自然との調和を図りながら、これまでの経験に基づき新しい智恵を出し農業者の工夫により営まれるものであり、そのための努力と挑戦する気持ちが大切であります。やる気のある農家が自らの意思とアイディアをもって農業活性化に向けた取組みを支援するため、大江町版創意工夫プロジェクト支援事業とも言える「やる気ある農業活性化プロジェクト支援事業」を創設し、推進してまいります。 

 

将来の農業後継者対策については、国の新たな制度である青年就農給付金と連動して、新規就農者の受け入れに向けた情報提供に努めるとともに、関係機関と連携を図りながらシステムづくりに取り組んでいきます。また、個々の事情に応じた助言や指導を図っていくほか、昨年からはじまった青年農山漁村協力隊受入事業や、高齢化する農業者の農作業の効率化に対し支援していきます。 

水田農業構造改革対策は、農業者戸別所得補償制度の本格的な開始から2年目を迎え、計画的な転作を進め団地化などにより収益の上がる作物の生産に努め、農業所得の向上と継続性のある農業を推進していきます。

 

3期対策として取組んでいる中山間地域等直接支払制度は、引き続き30の集落協定により実施し、生産不利地域における農業生産活動の維持と集落の活性化を推進し、農地の持つ多面的な機能を確保するため取組んでいきます。また、地域の手で農地や地域環境を守るため、農地・水保全管理支払交付金事業により、農家と地域住民等が一体となった共同活動を進めてまいります。 

土地改良事業については、生産基盤としての農地改良整備等は一定の整備が行われていますが、農地の集約化や耕作放棄地防止対策として小規模な改良整備の方策について検討していきます。また、これまで整備した農村公園の環境整備や用排水路、農道などの施設の機能が十分発揮されるよう維持、管理に努めるとともに、大江町土地改良区との連携により農業用水の多目的利用を図っていきます。

 

次に、林業関係であります。 

 町の約8割を占める森林は、生活や生産活動に欠かせない水の源となっているほか、国土保全など多目的な機能を有しています。また、東日本大震災以降、木材は建築用材やバイオマスエネルギーとして見直されてきています。近年は森林の適正な管理が行われず、伐期適齢を迎えても木材として生産できない状況にあったことから、林業の再生が産業面、環境面から大きな課題となっています。

 これまでの林業振興策に加え、新たに西山杉を利用した大江町型住宅の建設を行っておりますが、この展示用住宅を起点として、林家、製材業者、建築業者等の関係者が一体となった取組みを進める必要があります。今後のPRや住宅の販売活動を推進しやすくするための組織化を図り、すべての業種が利益循環できる体制づくりを進めていきます。また、良質の西山杉の産出を図るため、森林施業における利用間伐を推進するための林家への支援として、新たに西山杉搬出奨励金制度を新設します。

林業の生産基盤となる林道について、危険箇所の改修を進めながら維持管理に努めるとともに、林道に架かる橋の年数が経過していることから、昨年実施した点検結果に基づき長寿命化の対策を講じていきます。また、森林経営計画の策定に向け今後の森林整備のあり方を再検討し、作業道の点検修繕や森林施業の集約化等を行う森林整備活動支援交付金事業、作業路開設や搬出間伐を推進するために森林整備の加速化・林業再生事業に向けた取組みを実施してまいります。また、松くい虫やナラ枯れの駆除及び被害防止については、保全区域を中心に引き続き拡大防止に努めていきます。

 

3点目は、商工労働観光についてであります。 

「景気と雇用」は町民の生活に直結する大きな問題であります。このため町としても産業の活性化と雇用対策を積極的に推し進めていかなければならないと認識しております。

 

雇用に関しては、経済雇用対策連絡会議を設け意見交換や情報収集に努めるとともに、町独自の雇用助成制度による町内企業への新規学卒者採用を促す取り組みのほか、国の雇用対策事業を活用し、関係団体の協力を得ながら雇用の確保を推進する考えであります。国道287号からの藤田工業団地へのアクセス道路が整備されつつある中で、新たな産業・雇用の創出に向けた企業誘致は極めて重要であると認識しております。企業の動向を把握しながら工業団地の造成なども視野に入れ調査研究を行ってまいります。また、産業の活性化にとって企業の成長は必要不可欠なものであることから、企業訪問をしながら企業の経営状況に応じた支援や技術者の資格や技能の取得に対する助成を行い、町内企業の育成に努めてまいります。

 

 新たな産業の創造を目指し取り組んできた創業・新事業支援事業につきましては、これまでの取り組みが継続し発展できるよう引き続き連携して進めていくほか、今後もアイディアとやる気のある人材の掘り起こしを行い、新たな産業となりうる芽を育てていくため、地域資源を活用した特色ある新たな地域産業の創出に向けて支援していきます。 

町内経済の活性化に向けて、消費活動、生産活動、そして雇用拡大という循環の流れをつくることは、経済活動全体の底上げに有効であり、引き続き町内産品の販売促進、消費拡大に向け取組んでいきます。具体的には、大江町商工会と連携したプレミアム付き商品券発行事業や、軽自動車や除雪機を町内事業者から購入する際の助成等を引き続き行い、生活支援とあわせ町内での消費拡大を進めてまいります。また、春と秋の物産販売イベントに加え、大相撲夏巡業や秋まつりと連動した新たな物産販売イベントを開催し、町内への誘客拡大を図りながら、販売促進の活動を強めていきます。さらに、物産販売のイベントへの参加などを通して町特産品の売り込みを積極的に行い、町の観光PRを含め販路拡大の取り組みを進めていきます。

 

 

次に観光の推進であります。

 

 東日本大震災発生直後は、観光への自粛ムードにより本町への観光客も大幅に減少しておりましたが、各広域観光協議会と一体となった誘客活動に取り組んだこともあり、本町へのお客様も徐々に戻りつつあります。こうしたお客様たちの満足度を高めるとともに本町観光地のイメージアップを図るため、神通峡などの観光施設の整備に取り組んでいきます。

本町では、春の「大江の雛まつり」に始まり、最も町が賑わう「夏まつり大会」、そして地酒大江錦を活用した「味祭の宴」まで、年間を通し多くのイベントを開催していますが、引き続き町観光物産協会をはじめ町内関係団体と連携しながら推進し、誘客の拡大と観光産業の活性化へとつなげていきます。また、豊かな自然や地域資源を広く宣伝するため、左沢のまち歩き観光や神通峡ハイキング等これまで実施してきたツアーを充実し、JR東日本や仙台の旅行会社と連携しながら新たなツアーにも取り組み、大江町らしい着地型観光を推進していきます。

 観光に対するニーズも多岐になってきており、複数の観光地を結び面的にPRしていくため、広域観光の取り組みが重要になってきています。村山地域の市町で組織する既存の組織や、これまでの白鷹朝日大江広域観光推進協議会の枠組みに加え、新たに西村山14町の広域観光を推進していくため「山形どまんなか探訪プロジェクト会議」を設立し新たな観光の展開を目指しています。

 

4点目は、まちづくりを支える道路交通網の整備及び住宅施策、排水処理対策等についてであります。 

本町を東西に縦貫する幹線道路の主要地方道大江西川線は、沢口から柳川間の貫見工区1期分(通称 柳川バイパス)1,250mが完成し、昨年12月から供用開始されていることはご案内のとおりであります。

平成24年度は、貫見から沢口までのいわゆる貫見工区2期分について新規事業着手される事になっております。

事業区間延長は約1,300mで現況の蛇行した地形からして橋梁が6基計画されます。

山形県からは、完成まで予定工期は概ね10年間を要する旨の説明を受けているところですが、難工事とは言えさすがに永すぎると考えており、国及び県当局に対しこれまで以上、要望活動に努めて参ります。

また、平成23年度から事業着手しております三合田地内の道路改良は、用地取得等の後、工事を実施し、平成25年度までは完成させる予定です。

 

町道の整備では、左沢周辺の市街地道路網の基幹を成す藤田大明神線の平成25年度工事実施に向け引続き用地買収及び物件補償に取り組むほか、左沢高校から小見方面に至る藤田堂屋敷線につきましても早期着工のため用地買収と物件補償を進めてまいります。

さらには、富沢連絡線、柳川長畑線、西原団地2号線、滝ノ沢下モ原線、貫見小学校線の改良など生活関連道路の整備を実施するほか、小規模な舗装補修、側溝改修など通行等に支障がある路線については、出来る限りきめ細かな維持修繕に努めてまいります。 

橋梁の維持管理地ついては、長寿命化修繕計画に基づき、川口橋、貫見1号橋など5橋に係る補修工事を実施するほか、小見橋等3橋について、実施設計を予定しております。

 

また、都市計画道路については、社会情勢の変化等に伴い、現状と計画に乖離が生じています。

このため、都市計画道路の役割や必要性を再検証し、道路網の構築を図るべく見直し業務を予定しております。

 

 都市公園の藤田西原公園については、町道藤田堂屋敷線の道路改良計画や町営西原住宅の建設に伴い公園内の遊具とか老朽化した旧式トイレの建て替えを行ない、西原周辺のイメージアップを図ります。 

次に、住宅施策についてであります。

町営西原住宅は、平成23年度に建て替えしたAB 2棟に引き続き、老朽化したCD棟を取り壊し、新たに若者向け4世帯集合住宅2棟を建て替えするとともに駐車場等の外構工事を行ないます。併せて、平成25年度に建設予定の子育て世帯向け住宅に係る基本設計、実施設計に取り組みます。

 

 また、木造住宅の耐震化を促進するための「耐震診断士派遣事業」、雪下ろし作業の軽減に資するための「雪から家をまもる事業」、町内産木材西山杉の需要を拡大するための「西山杉材利用促進事業」並びに、住環境の整備と併せ、地元経済の活性化を促進する目的で町内事業者が施工する住宅の新築、増改築に補助する「住宅建築奨励事業」については、引き続き継続して実施します。 

 本町の排水処理対策については、公共下水道事業、農業集落排水事業及び合併処理浄化槽設置事業を組み合わせて、快適な生活環境づくりと水質保全を図るため、生活排水処理施設の整備を進めてまいります。

 

公共下水道事業の整備状況については、平成23年度末で公共ますの設置数が、1,532個、接続数が1,030個となり接続率は、67.2%となる見込みであります。

平成23年度には、浄化センターの増設工事が完成したことから、未整備地区でも接続希望者の多い、小見地区を平成23年度繰越工事で管渠整備を進めており、引き続き実施してまいります。 

農業集落排水事業については、深沢・伏熊地区が平成23年度末で、対象戸数160戸に対して、接続戸数は121個で接続率は75.6%となります。

また、楢山地区の全戸加入25戸と併せると、農業集落排水事業全体の接続率は78.9%となっております。

 

合併処理浄化槽設置事業については、これまで533基を補助対象事業として整備してまいりました。

昨年度に公共下水道処理区域の一部を合併処理浄化槽処理区域に変更し、補助金の増額を含めた補助要綱の改正を行ないましたが、少子高齢化の進行、経済的不安等厳しい社会情勢のもと、まだまだ普及が進んでいるとは言えません。今後とも、公共水域の水質保全及び公衆衛生の向上に向け、広く加入の推進に努めてまいります。

 

 次に、水道事業であります。

言うまでもなく水道は、日常生活に欠くことのできない生活基盤の一つです。安全で安心な水道水を安定的にしかも安価に供給できるよう水道施設の維持管理・更新に取り組んでまいりましたが、平成24年度も引き続き、配水管の耐震化を図りながら、老朽管の更新事業を実施してまいります。また、地震等による災害に備えるため配水池の耐震計算業務及び柳川浄水場非常用発電機設計業務、自己水源である切留水源を有効利用するための調査を実施してまいります。 

 第5点目は、福祉・健康・医療についてであります。

 

社会環境の変化により少子高齢化・核家族化が進む中で、家族や地域におけるつながりが希薄化し、子育て世帯では育児への負担や不安に苦しむ母親が増加する一方、高齢者世帯においても、老々介護、一人暮らしといった問題を抱える世帯が増える傾向にあります。

 

 このような背景から、地域福祉計画に基づき、支援が必要な方を地域で支えていく体制や支え合う活動を実践するための仕組みづくりに向け、人と人、人と地域の新たな絆を生み出す「地域支え合い体制づくり推進事業」の継続により地域活動を支援してまいります。加えて、11秒を争う事態に備え、かかりつけ医療機関や緊急連絡先などの情報を入れるための緊急時安心キットを高齢者・障害者世帯等を対象に配布し、安心して暮らせる環境づくりを進めてまいります。 

高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らしていくためには、老人クラブは大変重要な組織でありますが、会員の減少が大きな課題となっております。

このため、老人クラブへの加入促進につながるよう、クラブの活動やサロン事業が地域や各団体との連携により、さらに活性化されるよう支援を行っていくほか、新たに単位老人クラブへの町単独補助によりその活動を支援してまいります。

 

 障害者福祉では、障害者自立支援法に基づき、障害のある人が、年齢や障害の種別にかかわりなく、自立した日常生活や社会生活を営むことができるよう、身近な地域でサービスを受けながら、安心して暮らすことができるよう取り組みを進めてまいります。 

 平成24年度よりスタートする第5期介護保険事業計画に基づき実施される介護保険事業につきましては、高齢者の皆さんが住み慣れた地域で安心して生活を続けられるよう、利用者本位の視点に立って、在宅、施設等の各種サービスをはじめ、介護予防事業等に取り組んでまいります。

また「地域包括支援センター」は、相談機能の充実を図り、医療・介護・福祉の拠点として、「地域包括ケアシステム」の実現を図ってまいります。

 子どもは社会の希望であり、未来をつくる力であります。社会の未来を託す子どもの健やかな育ちは、子どもの親のみならず、今の社会を構成する全ての人々にとっての願いであり、また喜びであります。このため、社会全体で子どもの育ちと子育てを支援し、誰もが安心して子どもを生み育てることができる環境の整備に努めてまいります。

 

妊婦健康診査の公費負担、乳児に対する全戸訪問や妊婦・育児相談、また、中学3年生までの医療費無料化の制度を継続し、子育て家庭の経済的負担の軽減に取り組むほか、不妊に悩む方の支援を図るために、年2回の特定不妊治療費助成制度を創設してまいります。

 

子育て支援のための保育環境の充実につきましては、異常猛暑にも対応できるよう町立保育園保育室に冷房設備を整備するとともに、学識経験者、町内子育て施設代表者、就学前の子どもの保護者等からなる「子育て支援・町立保育園のあり方検討委員会」を設置して、地域子育ての支援の充実、新たな保育ニーズへの対応、町立保育園の効率的な運営等について検討してまいります。

 

また、育児をしながら働き続けることを可能とするため、さくら・わかば両保育園において朝7時から早朝保育を実施するほか、低所得のひとり親家庭に対する学童クラブ利用料の助成、育児等に係る臨時的、突発的なニーズに対応するためのファミリーサポートセンターの開設を通じ、子育家庭の就業を支援してまいります。

 

 元気で健やかに暮らすには、「自らの健康は自ら守る」を基本として、地域の中で安心して暮らしていける環境づくりが必要であると考えます。

 このため、健康づくりの支援として、生活習慣改善のための自覚と行動を促し、予防と早期発見のために各種検診の受診率向上と検診後の指導を充実して、疾病予防への取り組みを進めてまいります。  

 医学の進歩により、今や多くの病気の予防が可能となっております。子どもや女性の健康を守るため、3年目を迎える子宮頸がんワクチン接種事業、ヒブワクチン接種や小児肺炎球菌ワクチン接種などの予防事業を引き続き実施するほか、子どもや高齢者のインフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチン接種の一部助成に加え、重症化防止と子育て支援に資するため、任意接種であります水痘予防接種やおたふくかぜ予防接種に係る費用の一部を助成してまいります。

 

 国民皆保険制度の重要な役割を担ってきた国民健康保険事業につきましては、各種保険事業、資格の適正化や特定健診・特定保健指導の受診率の向上を通じて、被保険者の健康づくりの増進と医療費の抑制に努めてまいりました。

しかしながら、高齢化や医学の進歩による医療費の増加に加えて、後期高齢者支援金、介護納付金が年々増加する傾向にある一方で、長引く景気低迷の影響などにより、国民健康保険財政の運営は年々厳しくなっており、保険税率の改正は避けて通れない現状にあります。

このため、国民健康保険税の収納率の向上に努めるとともに、医療給付等に必要な財源の確保のため、今後の制度改革の動向を勘案しながら、6月定例議会に保険税率の改正についてご提案を申し上げる予定でありますので是非ご理解を賜りますようお願いを申し上げます。 

6点目は、教育の振興であります。

 

昨年の東日本大震災では、教育現場にも様々な教訓を残しましたが、同時に子どもたちが真正面から現実に向き合う姿も見られました。左沢小学校では、4年生全員が震災によって尊い命を失った同年代の児童を思いながらも悲惨な災害に向き合い、今の気持ちを忘れないで逞しく将来を生きようとの想いを綴った詩を作りました。また、中学・高校の生徒で創っているボランティアグループ「夢憧布」「ミニ夢憧布」では、いち早く街頭での募金活動を行い、大江ミニバスケットボールスポーツ少年団では、スポーツを通じ交流を深め元気づけようと、被災地である亘理町や仙台市宮城野区などのチームを招待し、交流試合を開催しました。それぞれが、被災地の子どもたちを思い、今できることを考え、そして行動したのでありました。

一方、災害時の子どもたちの帰宅の方法や家庭への連絡体制、避難所でもある学校施設の災害に対しての備えなど、課題も浮き彫りになりました。こうした経験を踏まえ、より一層の安全・安心な教育環境の整備・充実を図るとともに、時代の要請に合った教育内容の充実に努めるなど、教育委員会の独自性・中立性・継続性を大事にしながら、開かれた教育委員会、そして町民から信頼される教育行政の推進に努めてまいります。 

学校教育の振興では、お互いの存在価値を認め合い尊重しながら、そのかかわりによって自分自身の価値を認め、他人を思いやることのできる、心やさしい子どもの育成を基本目標として、共生教育の推進に継続して取り組むとともに、人と人との関わりの中で、ふるさとに誇りを持ち、生きる力や社会に適応できる力を高め合う児童生徒の育成に努めてまいります。

 

本町では、平成24年度より三郷地区の児童については左沢小学校へ就学し、また、平成25年度からは、本郷西小学校の児童も本郷東小学校への就学になるなど、町内2校体制へと移行いたします。地域に根ざし、地域の核として、歴史と伝統ある小学校がなくなることは、まさに断腸の思いがありますが、この方針を受け入れていただいた地域の声を真摯に受け止め、子どもたちを大きく成長させていくことが、私どもに課せられた課題と重く受け止めているところであります。

統合を通じて地域の方々からは、子どもたちがふるさとに根ざし、ふるさとを忘れない教育をしてほしいとの要望が多く出されたことから、学校の運営にあたっては、地域とのかかわりを大事にしながら、各学校においては、高齢者などを活用した体験教室や職業体験など、地域との連携による開かれた学校づくりに努めるほか、「ふるさと教育」をより一層充実したものとするため、大江町学校教育センターの活動の充実に努めるとともに、教職員が地域理解を深めるための研修を充実するなど、地域を愛する児童生徒の育成に努めてまいります。また、学校生活や学習活動の中で、きめ細やかな対応が必要な児童・生徒の支援を行うための学習生活指導補助員を配置してまいります。

なお、休校となる学校の利活用については、今後、庁内での検討結果を踏まえながら検討を進めてまいりますので、議員各位のご理解とご指導をお願いいたします。

豊かな感性を育み、児童生徒が身近に本格的な音楽に触れる機会を創出するスクールコンサートを教育文化振興基金事業として昨年度に引き続き実施するほか、本町で大相撲夏巡業が開催される機会をとらえ、子どもたちに日本の伝統文化である大相撲に触れる機会を提供することにしております。 

次に、社会教育については、町民一人ひとりがかけがえのない人生を生き生きと健康に暮らし、ふるさとである大江町に誇りを持つことができる生涯学習の充実を図るため、シルバーカレッジの開設や情報化社会に対応したパソコン講座、親子料理教室の開催など、青少年から成人、女性、高齢者まで各世代の身近な生活や地域課題を学ぶ機会の場の提供に努めるほか、引き続き東地区公民館に社会教育指導員を配置し、町民の方々の自主的な活動を支援する体制の整備に努めてまいります。

施設整備の面では、東地区公民館は、平成37月に建築されて以来20年経過いたしましたが、音響設備などに不具合が生じており、事業実施に苦労している現状から、昨年度に実施した改修等調査結果に基づいて、本年度は、音響設備の改修工事を実施いたします。また、昭和47年12月に建設された中央公民館についても、耐震診断を実施し、今後の対応について検討してまいります。

芸術文化については、教育文化振興基金を活用し、著名人を招いた音楽会を大江町文化祭などの共催により実施するほか、趣味のサークルの発表の場としての「あじさい手づくり工芸まつり」や文化祭、ひなまつりコンサートなど、各種事業の積極的な展開とサークル活動の育成支援に努めてまいります。

 

文化保護行政につきましては、3月に策定します「史跡左沢楯山城跡保存整備基本構想」に基づき、本年度は、散策路の整備や四阿前への落下防止柵の設置など、安全対策の実施のための基礎調査と昨年度に引き続き八幡座をはじめとする発掘調査を実施いたします。また、平成20年度から教育委員会が主体となり、大江町の自然・歴史・文化や人々の暮らしを踏まえた舟運文化の香る景観の調査、及び保全を図ることを目的として、東北芸術工科大学歴史遺産学科 入間田宣夫教授らからなる「大江町文化的景観調査検討委員会」を設置し、文化財保護法による「重要文化的景観」の選定申出に向けた調査、及び保存計画の策定に取り組んできたところであります。ご案内のとおり、2月21日の区長さんへの説明会を皮切りに関係区への説明会を行い、7月の文化庁への選定申出に向け、取り組むことにしておりますので、ご理解とご協力をお願いいたします。 

次に、体育振興につきましては、町民の誰もが、いつでも、どこでも、いつまでも、気軽に楽しくスポーツやレクリェーション活動を通じた「仲間づくり」や「生きがいづくり」を目標とした総合型地域スポーツクラブ「O-STEP(オーステップ)」が3月10日に設立する運びとなりました。本年度は、クラブのこれからの足場を固める年と位置づけながら、指導者の確保や会員の拡大、気軽にできるスポーツ教室の実施など、クラブの事業への積極的な支援を行ってまいります。また、毎年6月の最終日曜日、開催している体育協会の主催事業であります舟唄マラソン大会が、本年で第30回という節目を迎えることから、著名なランナーを招いた記念大会として実施する予定であります。体育施設面では、昨年、一昨年と総合体育施設(野球場・テニスコート)の改修を実施してまいりましたが、今年度は、施設内のトイレ改修工事を実施することにしており、引き続き体育施設の環境整備に努めてまいります。

 

7点目は、危機管理対策についてであります。 

平成23年3月11日に宮城県沖を震源として、我が国観測史上最大のマグニチュード9.0の東日本大震災が発生し、宮城県栗原市で震度7を観測したほか、広い範囲で強い揺れを観測しました。その後も震度5強以上の地震が25回(平成24年1月22日現在)発生しています。

この地震で死者16,131名、行方不明者3,240名(平成24年1月11日現在)という我が国において史上最大の人的被害が発生しました。

風水害の被害としては、昨年7月の新潟県と福島県を中心とした大雨により、死者4名、行方不明者2名(平成23年12月16日現在)、昨年の台風12号及び15号により、死者96名、行方不明者17名(平成23年12月15日現在)、の人的被害が発生しました。

このような重大な災害が発生している中で、防災に対する関心が益々大きくなっており、情報伝達体制の整備、大江町地域防災計画の見直し、消防防災関係事業の促進など、消防防災対策の一層の推進や地域防災力の充実・強化が強く求められており、本職としても防災拠点施設の強化として、役場本庁舎の耐震化工事を実施するとともに、機構改革を通じて危機管理対策を重点に、町民の安全・安心を確保してまいりたいと肝に銘じているところであります。

 

情報伝達体制の整備につきましては、簡易無線のデジタルトランシーバー100台を災害対策本部、役場指令車及び消防団員に配備し、災害時において迅速かつ的確に災害応急活動が実施できる情報収集・伝達体制の充実を図ってまいります。 

大江町地域防災計画の見直しにつきましては、当町の地域防災計画は、風水害等対策、震災対策、雪害対策、林野火災等の個別災害の構成としており、災害対策基本法(第42条)の規定に基づき、昭和49年に策定し、その後、平成17年に全部見直しを行い、翌平成18年に一部見直しを行っておりますが、未曾有の東日本大震災を教訓として、国は防災基本計画を、山形県は地域防災計画を修正していることから、県の地域防災計画の修正事項を踏まえ、併せて平成23年2月に県と事前協議をしておりました土砂災害防止法による地域指定等の事項を含めて大江町地域防災計画の見直しを行ってまいります。

 

地域防災の中核的存在である消防団の団員数は減少傾向にあり、社会経済の進展に伴い、産業構造や就業構造が大きく変化し、消防団員の被雇用者は81%を占めている状況にあります。

このような状況で消防団の活性化を図るには、若者が入団しやすく、かつ消防団員として活動しやすい環境の整備が必要であるため、消防団協力事業所の指定とともに、事業所の消防団活動に対する理解と協力を求めてまいります。 

地震等による被害の防止または軽減を図るには、地域住民の自主的な防災活動が重要であり、広く町民のみなさんから防災の基本理念である「自らの身は自らで守る」という気運を高めていただくために、県の出前講座の開講や自主防災組織の活動の手引き・パンフレットを活用して防災意識の啓発に努め、組織化の醸成と育成に取り組んでまいります。組織化されている9区と12区の自主防災組織には更なる支援をしてまいります。

また、自らの地域を自ら知り、地区の課題や特徴、災害への対応・抑止力を地域で認識・共有し地域防災力の向上を図るため、避難場所等を明記した防災マップの整備につとめてまいります。

 

当町の総合防災訓練につきましては、10月7日に三郷小学校グラウンドを会場にヘリコプターによる物資輸送訓練や起震車による地震体験、自衛隊の派遣による救出救助訓練等を実施する計画としております。 

昨年1年間は幸いにして無災害でありましたが、火災発生時には地域住民による初期消火体制の整備が重要となることから、第4次地震防災緊急事業5ヵ年計画に基づき、震度7の地震にも耐え得る耐震性の貯水槽や消火栓を設置するとともに、左沢市街地等の家屋密集地域の延焼防止策を考慮した消防水利の整備に努めてまいります。

また、消防団第4分団第2部、月布の小型動力ポンプ付積載車が老朽化したことから更新することとしております。

 

災害時の備蓄品につきましては、山形盆地断層帯等の地震を想定してアルファ米や飲料水、寝袋等の生活必需品を整備すると共に、発災後の速やかな応急対策や復旧作業に必要な燃料備蓄タンク等の防災資機材の整備について研究を進め、町民が安心して暮らせる安全なまちづくりに取り組んでまいります。 

放射能対策につきましては、福島の原発事故を受けて、左沢駅前親水公園は昨年4月から、各小・中学校のグラウンドは昨年7月から空間放射線量を測定し、昨年11月には各小・中学校の敷地と、保育園・幼稚園等の敷地を隈なく空間放射線量を測定しましたが、人体に影響のない0.19マイクロシーベルト以下の測定値でありました。

放射性物質の半減期は長く、拡散は原発からの距離に応じて一様でないため地域差が大きいことから、今後も継続して空間放射線量を測定すると共に、文部科学省の事業により役場敷地内に空間放射線量を測定するモニタリングポストを新設し、当町の正しい空間放射線量を公表してまいります。

また、町民のみなさまのご要望に応じて、空間放射線測定器の貸し出しをする等、町民が安心して暮らせる安全なまちづくりに取り組んでまいります。

 

 以上、平成24年度の町政運営に関する所信と主要施策の大要について申し上げましたが、町民の皆様、議員各位の町政に対する特段のご理解を心からお願い申し上げます。

なお、詳細については、議事の進行に従いましてご説明申し上げます。


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