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【平成26年度】

 
本日開会の平成26年第1回町議会定例会に臨むにあたり、平成26年度の町政運営に関する所信と主要施策の大要を述べ、議員各位をはじめ、町民皆様のご理解とご協力をいただきたいと存じます。
 
今年の冬は、関東地方をはじめとする太平洋側が記録的な降雪になる等、かつてない異常な冬となり、ゲリラ豪雪などという言葉も生まれました。大江町においては、現段階では雪による日常生活への影響や被害も少なく、町民皆様方の日頃からの雪に対する備えがあればこそと心より感謝申し上げます。
また、昨年は7月の豪雨により近年稀に見る災害が町内を襲い、町道や農林道を始め至る所で被害を受けましたが、先人から受け継いだ財産であり将来に引き継がなければならないという強い意志を持って復旧に向けて取り組み始めており、平成26年度は本格的な復旧の年と位置付け、いち早く再生されるよう最大の努力をしなければならないと肝に銘じ努力してまいります。
 大江町が誕生して55年目の節目となる新年度を迎えるにあたり、改めて本町の歴史の1ページを振り返り、本町の将来に思いを馳せてみました。
 「人は死して名を残し、虎は死して皮を残す」、名と皮を残す為に生物が生きているとは思えませんが、1978年(昭和53年)、我等が大江町で800万年間、最上川の川床で眠り続けた「ぷくちゃん」が、目を覚ましました。発掘された骨格から、世界の新種の「大海牛」とドムニング博士から認定され、愛称・「ぷくちゃん」は、心がほっかりするような素晴らしいネーミングであります。「あまも」を食べながら、悠々と大江町で生きていた「ぷくちゃん」、学名はドシシーレン・デワーナ、残した「骨」で何を語りたいのでありましょうか。
 「ぷくちゃん」から縄文、中世の山城、重要文化的景観へと、人々の歩みを乗せ続けた「道」の上に、現在の大江町民も乗せていただき歩いています。山の道、川の道、作場道、裏道、街道等々・・・。
「道」は、町民の体を運び、物を移動し、心の伝播の導線でもありました。豊かな山林資源、あおそ、漆、養蚕・・食を作り、業を成した町民の先達のそばには、「道」が出来ていたのであります。
 大江町誕生から55年。町民お一人お一人から支えられ、世代を越えた営みの果実が、大江町には見事に残されてきました。朝日岳から広がる裾野を流れる月布川は、最上川に合流するまでに、百川衆沢の清流を抱き呑み込んで、僅かな平場を水田に変えました。百川衆沢も、山岳地帯とも見えた傾斜地を棚田に変えました。広葉樹林が、町場や都会の為に切り出された後に、針葉樹の植育林が行われた林業の営みは、奥深い集落の生計をたてることを可能にし、「川上と川下」双方での暮らしを支えてきたのであります。
 川下の町場の賑わいと川上の営みが繋がる時間は、現代の生活様式の固定化に要した時間に比べれば、天文学的時間であります。「あっ、という間もない」程の時間の中での変化が、物の変化と心の変化の両面で安定感を失わせていると指摘する論者、科学の進歩の影に潜む人間不在を抉る識者、一瞬で点が線となり、線が面となる情報の軽さを嘆く碩学、快適さで地球環境を破壊していると警告する学者、格差社会が攻め込む共同社会を嘆く若者、老人の行くあてのない居場所の欠如を憂える高齢者・・・。国家と地域社会、ひいては個々人にとっても、多くの課題が山積みする現代社会の断片が、連日ニュースとなって耳に目に縦横から入り込んできます。
 「ぷくちゃん」はいなくなりました。そして今、私たちがいます、子供も孫もいます。たぶん左沢楯山城の頃も同じように、家庭があり、父と子、母と娘がおりました。そのときに、その人が、そのことを、やり遂げて・・・。
あのときに、あの人が、あのことを、成し遂げて・・・。今日の大江町が出来上がり、「このとき」を迎えているのであります。進化・変化・変革・改革・イノベーション・・・、人類は長い時間の中を時には命を賭し、社会と自然から時には過酷極まる過料を課せられたときですら「生きて来たから」の「このとき」なのであります。
 「このときに、この人が、このことを」、手間暇かけた民主主義でしっかり裏打ちしながら、「今とこれから」を見据えて、「このこと」に優先順位で熟慮を重ねて、慎重かつ果敢な執行を果たしてゆかなければいけません。
「このとき」に生きている私たちは、ドシシーレン・デワーナから今日に至る大江町と次代に伸びる大江町のバトンランナーにすぎません。百考不若一行、とは言え、大江町民歌に詠まれたように、町民各位の英知を結集し、「この時」を、未来の「あの時、その時」への架け橋として、受け渡す覚悟を持ちたいものです。
 
 平成26年度の町政運営にあたりましては、町の基本計画である第9次大江町総合計画が、平成26年度に後期への折り返し地点となるため、短期行動計画の見直しを行い「ここに暮らす喜びを みんなが実感できる町」の実現に向け更なる推進を図ることにしています。人口がわずかずつ減っている中だからこそ町民が日々の生活の中で満足感や幸福感を実感できることが、自立した町づくりを持続できる手立てであると考えているからです。魅力あふれる町をつくる主役は町民一人ひとりです。お互いが協力し合い、譲り合い、助け合い、友だち力を信じて行動することが大切です。このため町民の皆様と真摯に向き合いながらご意見やご要望を受け止め、私自身を含め町職員が町民の皆様のご理解とご協力を得て、共に取り組んで行くことが重要だと考えております。
すべての施策は町民が担い手であるとの「自覚」を持ち、立場や個人を超えた「連携」のもと、夢や希望に向かって共に「行動」することを町づくりを進める基本理念として、次の5つの事項について重点的に取り組んで参りたいと考えております。
一つ目は、早期の災害復旧と災害に強い町づくりであります。
 昨年の豪雨災害の復旧にはまだ時間を要する箇所もありますが、災害前の姿にできるだけ早く戻れるよう復旧事業を進めてまいります。また、東日本大震災の教訓から、耐震性能が不足している中央公民館、橋、水道施設等の公共施設の耐震化や改修を進め、万が一の災害に備え情報伝達方法の確立や停電時の電源確保等防災対策を充実してまいります。
 二つ目には、将来に夢や希望が持てる人を育てることであります。
 将来を担う子どもを産み育てやすい環境づくりのため、中学生までの医療費無料化等に加え新たに出生祝い金制度を創設するほか、子育て支援を総合的かつ計画的に行うための、子ども・子育て支援事業計画を策定します。また、国際化社会に対応した人材育成を目指し、アメリカモンタナ州への中学生海外派遣事業に取り組みます。
三つ目として、安定、堅実な暮らしを実現することであります。
人口減少社会が進展する中、町外への流出防止と町外から積極的に転入者を呼び込むための定住人口対策として、新たな住宅団地造成事業に着手するとともに要望の強い町営住宅の整備を計画的に進めてまいります。また、生活の利便性向上と産業の活性化のため町道等の道路インフラ整備を引き続き実施します。
 四つ目は、生業の振興対策であります。
これまで町を支えてきた農林業は、高齢化と後継者不足という課題がある半面、都市部から農林業に魅力と関心を持った人が増えてきています。この町に住み農業を生業として生活するための支援として、大江町産木材を利用した新規就農者用住宅を整備することにより、後継者確保、定住対策、木材利用という新たな好循環の輪を期待し対策を展開してまいります。また、農、商・工がそれぞれ連携した6次産業化の取り組みも芽が膨らみ始めており引き続き支援してまいります。
五つ目は、文化財の保護と交流人口増加への取り組みであります。
 文化財である重要文化的景観や史跡左沢楯山城跡は、計画的に保存整備を進めてまいりますが、一方では他にはない観光資源としての側面も担っております。6月から全国展開される、山形デスティネーションキャンペーンに合わせ積極的な周知活動と受入体制を充実し、町内の観光施設と連携し交流人口の増加を図ってまいります。
   次に、町の財政状況についてでありますが、平成14年度末には85億6,200万円まで達していた一般会計の地方債残高も、平成23年度末からは50億円を割り込むレベルまで縮小している状況にあります。これも町民の方々のご理解と議員各位のお力添えがあったからこそであり、この場をお借りして改めて感謝申し上げます。
 平成24年度決算では、実質公債費比率や経常収支比率といった財政指標で比較した場合に、県内35市町村の中で「概ね中上位」に位置するまでに改善したところではありますが、依然として類似団体間での比較では厳しい水準にあることに変わりはなく、脆弱な財政基盤の上に本町財政は成り立っていると言えます。また、近年、施設の老朽化により、下水道事業、簡易水道事業及び農業集落排水事業における維持管理経費が増高しており、一般会計からの繰出金なしでは経営が成り立たない状況にあります。さらに介護保険特別会計においては、年々保険給付費が増加の一途を辿り、一般会計を圧迫する要因の一つとなっており、国の施策とともに今後の推移を注視することが肝要であります。
こうした情勢のもと、本町の財政運営を左右する地方交付税削減の流れは収束した感がありましたが、平成26年度の地方財政計画によると、交付額ベースで1.0%の減額となっており、加えて、本町の場合は、基礎数値となる国勢調査人口の減少や算定において大きなウェイトを占める公債費は横ばいの状況であり、逼迫する国の財政を顧みれば決して楽観視できるものではありません。4月からの消費税引き上げに伴い、地方消費税交付金については増加要因があるというものの、地方譲与税やその他の交付金など、今後一般財源総額が増加傾向に転じるには、景気が劇的に上向かない限り期待できないと認識しているところであります。
 一方歳出面では、ここ数年の人件費や公債費の大幅減が歳入一般財源の減少額を上回り、財政運営に比較的ゆとりをもたらすことに貢献してきましたが、今後は下げ止まりとなる見込みであること、さらには、消費税引き上げに伴う物件費等の増加に加えて、高齢化社会の進展による社会保障関係経費の増加が懸念されるところであります。
   このような状況の中で、財政調整基金等の積立金残高から当面安定した財政運営に支障がないように思われてきましたが、昨年7月に発生した豪雨災害復旧費への基金取崩しにより、25年度末残高は前年度末を下回る見通しとなっております。国の経済対策により景気は回復基調と言われておりますが、本町のような地方においては未だ実感を伴わず、今後の地方交付税の動向を考慮した場合、先行きの不透明感はぬぐいきれないものがあることも事実であります。年々増加する行政需要、とりわけ社会資本整備事業の展開如何によっては大きな財源不足を招くことが予想されます。加えて、中央公民館改築事業にも本格的に着手することとなり、その他の公共施設等についても老朽化による大規模な修繕が見込まれます。
このため、今後の町の財政運営にあたっては、これまで蓄えてきた財政調整基金や特定目的基金の有効な活用度合が増すものと考えております。今後とも、5年後10年後を見据えた慎重かつ計画的な行財政運営を心がけるとともに、自主財源となる基金の充実、事務事業の見直しと更なる効率化・スリム化を進め、「自らの判断と責任による自立のまちづくりの実現」を目指し、今後とも住民の方の目線に立った施策を展開していく必要があると考えております。
   こうした認識の下、平成26年度町政運営にあたりましては、計画的かつ効率的な行財政運営を基本としながらも、町経済の活力を促す施策を展開するとともに、景気の不透明感が増す中で、町民生活の不安を少しでも取り除き、きめ細かであたたかい町づくりを推進してまいります。
議員各位には、日頃から町づくりに対してのご提言、ご意見を拝聴する中で、行政と一定の緊張感を保ちつつも、町民が主役となる町政の一翼を担っていただいていることに感謝を申し上げますとともに、意志の疎通を図りながら更なる信頼関係のもと、町政運営を進めてまいりたいと存じます。
 
  それでは、平成26年度の主要施策について申し上げます。
 
はじめに、町づくり関係について申し上げます。
 平成26年度は、大江町が誕生して55年目を迎えます。これを機会に町のキャッチフレーズを募集し、現在の大江町を的確に表すフレーズを新たに選定し、町のPRの一つとして活用してまいります。
 町が存在するということは、町民が住み、幸福と思える生活ができなければなりません。少子高齢化が進み人口の減少が避けられない現状の中、できる限り町政運営に影響が少ないよう、知恵を出し合い様々な施策を講じることが町づくりの原点と考えます。そのためには、個人の考え方から始まり、地域の知恵を出し合い、町全体の施策として町民に還元される取り組みを進めていく必要があります。そのため、定住人口対策と地域の活性化を町づくりの柱として進めてまいります。
定住人口対策では、町が保有する分譲宅地は「きらりタウン美郷」、「蛍水住宅団地」が完売しました。人口流出の抑制を図り、定住人口を確保するため、藤田地区に20区画程度の小規模な住宅団地の造成に着手します。若い世代が買い求めやすい価格とするため、1区画あたり90坪程度とし、低廉で魅力ある宅地の提供に努めます。また、結婚に向けた支援を必要とする人に対し、より近い立場で個別に支援するため、婚活チューターの活動を推進し、結婚したいと思う人が安心して自然に結婚できるような環境づくりを進めます。
地域の活性化対策として、各区のアイディアを活かし地域活動を積極的に推進していただくために集落活性化支援交付金を継続し、集落を維持するための経費はもとより、公民館の維持、伝統行事の保存・継承や共同作業経費等、活発な地域づくりの一助となるような取組みを進めてまいります。併せて、町民が主体となって取組む公益的な活動や、文化的なまちづくり活動を支援する「やる気→元気活動支援交付金」は、新たな活動団体の発掘と育成に努めるとともに、町民主体の活力あるまちづくりを支援してまいります。また、町職員が地域活動に参加する中から地域の魅力と課題を地区と一緒にさぐる地域の魅力見つけ隊の配置や、柳川地区を中心に活動している地域おこし協力隊の配置を継続し、地域活性化のための取組みを積極的に推進していきます。
 NPO法人数は他の町と比べ極端に少ない状況にあることから、NPOとはどういう団体であるか、メリット・デメリットは何かなど、広く知っていただけるような学習の機会を設けるなど、NPO法人化の促進に向けた取り組みを進めてまいります。
 ふるさとまちづくり寄付、いわゆる「ふるさと納税」については、インターネットでの寄付ができるシステムを導入するとともに、寄付してくださった方に対する特典として、町の特産品を贈る等、魅力ある町産品のPRに努め、大江町に対する関心と愛着を深めていただけるきっかけとなるよう取組みを進めてまいります。
 景観形成においては、屋根の塗り替えや板塀の設置等に対する補助を行うとともに、平成25年度実施した大江の景観フォトコンテストを引き続き実施し、重要文化的景観の取り組みと連携し、良好な景観の形成と本町の魅力ある景観の認知に向けた取り組みを推進していきます。
 遊休施設となっている町有施設を有効に利用するため、様々な取り組みを進めてまいります。旧七軒西小学校については、宿泊可能な施設として改修を行うとともに、管理運営に向けた準備を始めてまいります。旧きらやか銀行大江支店は建物の耐震調査を実施し、地域の方々の意見を聴くなどの機会を設けながら、具体的な利活用の方法を決定していきます。駅前公有地に関しては、これまでの町民検討委員会での報告をもとに、活用方策の絞り込みを行ってまいります。
 
次に、農林業の振興についてであります。
農業を取り巻く環境は依然として厳しさを増しており、昭和45年から実施されてきた減反政策の廃止や、TPP交渉における農林水産物重要5品目の関税撤廃問題、高齢化、離農等による農業者数の減少と耕作放棄地の増加、異常気象に伴う豪雨、大雪、降雹、干ばつ等の自然災害による品質や生産量の低下、価格の低迷等、農業の役割である安全安心な食糧の安定供給において、将来の国民生活の根幹に大きな影響を与えようとしています。
 本町においても、農業者の減少により耕作放棄地が増加しその対策が喫緊の課題となっていることから、国の新たな政策の一つである農地中間管理事業の積極的な活用や青年就農給付金を活用した新規就農者や後継者の確保と育成を図っていきます。そのために、受入組織の大江町就農研修生受入協議会「OSINの会」活動への支援、新規就農を目指すIターン者のための大江町型住宅を基本とした新規就農者用住宅の建設等、生活支援を充実し就農者として新規に参入しやすい環境を整えてまいります。また、地域の中心となる農業経営体や高齢化する農業者が安全に現役として営農できるよう農機具等の購入について支援してまいります。また、近年増加している有害鳥獣による農作物被害を防止するため、鳥獣被害防止対策協議会の活動に対し支援するとともに、実行部隊となる鳥獣被害対策実施隊の活動の充実を図ってまいります。
   農作物については、高度な生産技術と、気候風土に恵まれ高品質な果樹をはじめとした農産品を生産しております。特に本町生まれのサンルージュを始め、新しい品種である光李(ひかり)緑李(みどり)愛李(らぶり)等のスモモによる日本一の里づくりを目指し、生産者、JA等と連携し生産量の増加を図るため支援をしてまいります。また、リンゴの奨励品種への切り替えも引き続き支援し生産額の向上を目指してまいります。また、なす生産における労力軽減と収穫量の増加を図るため太陽光利用自動かん水装置についても助成してまいります。
 水田農業については、国の農政の大転換により5年後の減反政策廃止が決定されたことに伴い、今後5年間は国による生産調整が続くことから、経営所得安定対策を引き続き行ってまいります。尚、この間に将来の本町の水田農業ビジョンを地域農業再生協議会等の中で十分に話し合い決定していきたいと考えております。又、6次産業化による農業所得の向上を図るため、経営体の組織化や加工品の生産・販売等についても検討してまいります。
第3期対策として取り組んでいる中山間地直接支払制度は、30の集落協定により引き続き実施し、生産条件不利地域における自立的継続的な実施と農地の持つ多面的な機能の維持・管理を一層図ってまいります。また、本郷東部籾乾燥調整施設の処理量の増加と、高齢化に伴う仕事量の軽減を図り将来に亘り安定した運営を継続するため、籾搬送設備の増設等を支援してまいります。
 農業生産基盤である農業用水については、北堰と南堰の老朽化対策や農業用ため池の安全性と機能の低下等を防止し災害に強い施設づくりを行うため、県営事業として進めてまいりました計画調査事業が最終年度を迎えることから、農村地域防災減災事業の採択に向け引き続き努力してまいります。また、これまで取組んできた農地・水保全管理事業に替わり、新たに実施される日本型直接支払制度を活用した、農地の維持活動や多面的機能の増進を図る取組みのほか、これまで整備した農道や用排水路の機能保全や農村公園等の環境保全についても大江町土地改良区等と連携のもとに実施してまいります。
 昨年発生した豪雨災害により被災した農地・農業用施設の復旧は、公共災害で26地区が採択され、激甚災害の指定を受けたことから農地は85.1%、農業用施設は90.3%に補助率の増高が図られたところです。工事については、平成25年度では、応急対応として完了した9地区と、その他14地区は農業用水の安定した通水と今年の作付に間に合うよう実施しています。また、小規模の農地・農業用施設の復旧については、町単独土地改良事業の補助で対応し、123地区の申請があり次年度に繰り越すことになる1地区を除き、平成25年度内に完成の予定であります。
 尚、平成25年度中に申請できなかった地区や施工業者等の都合で平成25年度において取り下げた地区については、平成26年度予算により対応していきたいと考えております。
 
次に、林業関係であります。
本町の森林面積は全体の約8割を占め、木材の生産は元より、国土保全や水源の涵養など私たちの生活に大切な多くの役割を果たしております。また近年では、地球温暖化の対策として、再生可能な木質バイオマスの利活用が注目されています。このような状況の中、木材価格の低迷と、林家の高齢化や離村等により手入れの行き届かない森林が急増しており、森林の保全が重要な課題となっています。
このため、町では、林家の再生産費確保と関連産業の振興のため、大江町型住宅の販売活動を粘り強く進めるとともに、町産材の住宅用材としての利用拡大を図ってまいります。また、住宅用材としての天然乾燥材の生産と貯木を、生産者、林業事業体、製材所が協力して行う仕組みづくりについて検討を重ねながら、今後生産体制の確立を目指してまいります。また、森林整備の直接的な支援として、国、県の補助事業を積極的に活用し森林の巡視や作業路網の維持補修等の保護・保全活動を行うとともに、町単独事業により搬出間伐の推進を図ってまいります。
 生産基盤である林道については、その機能が十分発揮されるよう維持管理に努めてまいります。
   昨年の豪雨による林道の災害復旧は、公共災害で8箇所が採択され、激甚災害の指定を受け、その他指定の林道は92.5パーセント、奥地指定の林道は97.0パーセントに補助率の増高が図られたところであります。工事の発注については、平成26年度秋の全線開通に向け計画的に着手することにしております。平成25年度では、現在工事中の小柳線1号を完成させ、平成25年度の繰越事業として小柳線2号を含む5箇所を発注するとともに、平成26年度事業として小釿楢山線3・4号を発注する計画としております。
 県の災害復旧事業については、治山事業として柳川地区の旧七軒西小学校付近の山腹崩壊箇所2箇所を平成25年度で実施しております。
 平成26年度では、柳川長畑線治山事業の調査測量に着手するほか、地すべりが発生した中ノ畑地区は復旧治山事業としてボーリング調査や測量を実施し工事にも着手予定となっております。
   地籍調査につきましては、国が50%、県25%の補助事業により早期の完了を目指して実施しておりますが、平成25年度末の進捗率は87.9%で、残すところ13.08k㎡となりました。残された未調査地のほとんどは林地で急峻な山間地、土地所有者の大半は町外転出者で高齢化と相まって世代交代などにより、境界のわかる人が少なくなってきております。このような厳しい条件の中での調査事業となっておりますが、官民境界確認事務の効率化、固定資産税の課税の適正化・公正化、災害復旧時の迅速化等が図られることから、今年度は、大字柳川字桁倉や、大字勝生字彦テロなど3.44k㎡の地籍調査事業を実施します。
 
次に、商工労働観光についてであります。
「景気と雇用」については、政府などが発表する経済動向に関する各種指標は回復傾向を示しておりますが、本町においても景気回復が実感できるよう、産業の活性化と雇用対策を積極的に推し進めていかなければと認識をしております。
まず、雇用に関しては、企業が町民を正社員として新たに雇用する場合や、有期雇用から正社員に転換した場合に助成金を交付する制度を設け雇用の安定化に努めており、引き続き関係団体の協力を得ながら雇用の確保を推進してまいります。
工業に関しては、町内唯一の工業団地である藤田工業団地に企業が進出してから20年が経過しており、設備の更新など町内企業をとりまく課題が増えているものと考えられます。町内企業との意見交換の場を設けニーズを把握するとともに、企業が町に残りながら更に大きくなっていけるような支援策を一緒に考えながら、新たに県と市町村の協調融資制度である産業立地促進資金を創設し、企業の規模拡大や新規立地時の設備投資に対し金融機関から低利での融資を受けられる環境を整えてまいります。また、新たな企業を外から呼び込むことも重要であり、新たな工業団地の整備に向けて検討を進めてまいります。
商業に関しては、町産品の販路拡大と町内消費拡大の視点から、新たに二つの事業を実施いたします。一つ目は、商工業者が販路拡大を目指し、情報発信に必要なホームページを作成することを支援するものであり、二つ目は、町内での購買意欲を高めることを目的に商工会等が実施する中心商店街販売促進事業に支援するものであります。4月からは消費税の増税が実施されることになっており消費の落ち込みが懸念されることから、これら事業の実施によりその影響を回避し商業の活性化に結び付けられるよう努めてまいります。
町の特産品化を目指し取り組んでまいりましたやまがた地鶏については、新たな生産者による鶏舎等の施設整備が完了し、これまで課題となっていた通年出荷の体制が整ってまいりました。生産と販売は一方のみに力を入れても上手くはいかず、常にバランスをとりながら体制の整備を行っていく必要があると考えますが、生産と販売をつなぐ食鳥処理が大きな課題となっています。そこで、生産に見合う販売体制確立のための第一歩として、独自の食鳥処理施設整備に向けた検討を進めてまいります。
 本町の観光拠点施設であるテルメ柏陵健康温泉館については、現在改修工事を実施しているところであり、利用者の安全確保はもちろんのこと、利便性や衛生面に加え、将来を見通した機能性やメンテナンスを十分考慮した内容とするとともに、これまで以上の誘客を図るため、お客様から要望の強かった露天風呂を各浴室に備えたものとなっております。また、次世代の照明として山形県においても設置を推進しております有機ELパネルを使用した大型ディスプレイも設置することとしているところであり、これは屋外に設置するものとしては世界初の規模となるものであります。リニューアルオープンを機会に入浴者の増加が図られるよう指定管理者である大江町産業振興公社と一体となり取り組んでまいります。
 本年は、10年ぶり6回目となる山形デスティネーションキャンペーン(DC)がJR東日本と連携して行われます。今回のDCでは、地域の魅力を改めて発信して誘客し、訪れたお客様をリピーターとして囲い込み、10年後も観光客で賑わう地域づくりを推進するための事業を展開することとしています。本町においては、昨年県内で初めて国の選定を受けた重要文化的景観を積極的にPRしながら、水郷大江夏まつり大会や大江の秋まつりなどの各種イベントを開催していくとともに、DC期間にあわせて旧最上橋のライトアップや旧きらやか銀行を活用した写真展の開催など、町観光物産協会と連携して、やまがたDC推進事業を実施してまいります。
また、観光に対するニーズも多岐にわたっており、複数の観光地を結ぶ広域的な観光の取り組みが必要となっていることから、村山地域広域観光協議会をはじめ、白鷹、朝日、大江広域観光推進協議会、さらには西村山管内市町で設立した「やまがたどまんなか探訪プロジェクト」との連携により、広域的な観光を推進してまいります。
 
次に、道路交通網の整備、住宅施策、生活排水処理対策、水道関係について申し上げます。
道路、橋梁などの交通網は、産業の振興や活力ある豊かな地域社会等を形成し、町民の生活を支えるうえでも、欠かすことのできない社会資本であります。
 本町を東西に縦貫する幹線道路の主要地方道大江西川線は、柳川~沢口間、通称「柳川バイパス」の供用開始に引き続き、貫見~沢口間についても事業が開始され、これまで地すべり等の調査・解析並びに、その対策工法の検討がなされ、橋梁詳細設計及び用地調査等についても一部実施されてきました。平成26年度は、それらの成果を基に、貫見側から、道路改良及び橋梁工事が着工される予定であります。平成25年3月に設立した「大江・西川両町道路整備促進期成同盟会」を母体とし、早期完成に向け国及び県当局に対しさらなる要望に努めてまいります。
 また、平成23年度から事業着手しております三合田地内の道路改良工事は、平成25年度繰越事業として実施され、平成26年度には完了する予定となっております。
 
次に町道整備についてであります。
昨年の10月に開通した町道藤田大明神線と同様、左沢高等学校から小見方面に至る町道藤田堂屋敷線については、今後のまちづくりを進める上において重要な路線と位置付けております。地権者の皆さんのご協力を得て用地買収と物件補償を進めてまいりましたが、現在施工している平成25年度繰越事業と併せ、平成26年度には町道西原藤田山線までの第1工区、延長420mについて完成させる予定であり、第2工区につきましても並行して用地測量設計を実施してまいります。
また、町道左南西原線、滝の沢下モ原線、諏訪堂連絡線など生活関連道路の整備改良を実施するほか、舗装が傷み通行に支障が生じている路線については、順次補修工事を実施してまいります。
さらに、橋梁の維持修繕についても国の補助事業を積極的に活用し、橋梁の長寿命化修繕計画を更新し、それに基づき大江大橋、青柳橋などの橋梁補修工事を実施するほか、道路に付帯する交通安全施設整備では、道路標識や道路照明灯などの総点検を行い交通安全施設修繕計画を策定し、年次計画を以って修繕工事を実施するほか、早期にLED化への転換を進めます。
 町道の維持管理については、安全な通行を確保するため万全を期すとともに、冬期除雪の充実を図るため耐用年数を過ぎた除雪ロータリ車1台について、国の補助事業を活用し更新をしてまいります。
 
次に、住宅施策についてであります。
町営住宅の整備拡充については、若者の定住促進、高齢者等の居住の安定を図るため、平成23年度の西原住宅A,B棟を皮切りに連続して建設してまいりました。現在、国の経済対策の補正予算を活用し、平成25年度繰越事業として町営西原住宅F棟の建設に取り組んでおります。これは3世帯集合住宅で子育て世帯向けに、従来よりも広めの2LDKとしております。F棟の完成後の町営住宅は34世帯、特定公共賃貸住宅は28世帯で併せて62世帯となります。
また、住環境整備事業としまして、木造住宅の耐震化を促進するための「耐震診断士派遣事業」に取り組むほか、雪下ろし作業の軽減に資するための「雪から家をまもる事業」、町内産西山杉の需要を拡大するための「西山杉材利用促進事業」、並びに、住環境の整備と併せ、町内経済の活性化を図ることを目的に町内事業者が施工する住宅の新築、増改築に補助する「住宅建築奨励事業」を継続してまいります。
 
続きまして、昨年7月の豪雨災害による公共土木施設災害復旧についてであります。
雪崩災害の「おおくらさわ橋」を含め全63ヶ所の被災箇所について平成27年度までには、すべて復旧を終えるよう計画的且つ早急に実施してまいります。平成25年度分及び繰越分を含め49件、平成26年度は、10件を発注し、件数にして概ね94%を執行する計画であります。
 なお、西川町の小山地区につながる町道中の畑線の地すべり災害につきましては、被害規模が大きいため、国、県の指導を頂きながら測量設計を実施し、今後査定を受け、その結果に基づいた対応をしてまいります。
県の災害復旧事業につきましては、主要地方道大江西川線の道路災害、田の沢地内の5箇所及び月布川をはじめとする河川災害26箇所について、平成26年度中の復旧に向け強く要望をしているところであります。
特に主要地方道大江西川線における田の沢~西川町大井沢間の全面通行止めは、町にとって観光をはじめ様々な面において影響が大きいことから、今年8月頃の開通に向け県と連携しながら努力しているところであります。
また、月布川流域において特に被害が大きかった顔好・久保地区と貫見地区につきましては、再度災害防止対策事業としまして河川改良を含め早期に復旧されるよう要望しております。
さらに、左沢地内の「台の上地区」をはじめとする砂防、急傾斜対策事業につきましても、早期の完成が見込まれるよう県と一体となり、対応してまいります。
 本町の排水処理対策については、公共下水道事業、農業集落排水事業及び合併処理浄化槽設置事業を組み合わせて、快適な生活環境づくりと水質保全を図るため、生活排水処理施設の整備を進めてまいりました。
公共下水道事業の整備状況については、平成25年度末で公共ますの設置数が1,589個、接続数が1,087個となり接続率は、68.4%となる見込みであります。
平成26年度につきましては、接続希望者の多い小見地区の完成に向け、平成25年度繰越工事と合せ管渠整備を実施してまいります。
その後の管渠延伸・整備につきましては、小見地区の完成をもって当面休止せざるを得ないと判断したところであります。
 農業集落排水事業については、深沢・伏熊地区が平成25年度末で、対象戸数155戸に対して、接続戸数は123戸で接続率は79.4%となります。
また、楢山地区の全戸加入24戸と合せると、農業集落排水事業全体の接続率は82.1%となっております。
今後とも地元の施設管理組合と一体的に適切な維持管理に努めてまいります。
 平成5年度より進めてきた合併処理浄化槽設置事業については、これまで576基を補助対象事業として整備してまいりました。
これまで、公共下水道処理区域の一部を合併処理浄化槽処理区域に変更し、補助金の増額を含めた補助要綱の改正を行ないましたが、過疎化・少子高齢化の進行、経済的不安等の厳しい社会情勢のもと設置基数が伸びず、まだまだ普及が進んでいるとは言えません。今後とも、公共水域の水質保全及び公衆衛生の向上に向け、設置の推進に努めてまいります。
 
次に、水道事業であります。
7.18豪雨による大規模な断水は、水道が日常生活に欠くことのできない生活基盤の一つであることを再認識させられました。
平成25年12月にまとめられた県の村山広域水道に係る検討委員会報告書では、浄水施設における薬品抽入機能や、沈殿、排泥機能の強化等のハード対策並びに企業局と受水市町の情報共有や、受水市町間の受水量調整等のソフト対策により7.18豪雨程度の大雨では断水は発生しないものと推定されております。
本町におきましては、今後とも村山広域水道からの受水を主体としなければなりませんが、切留、柳川地区の自己水源の有効活用を図るとともに、有事の際に相互に融通できるバックアップ機能を持つ区域の拡張に取り組んでまいります。
平成26年度は、自己水源を安定的に供給できるよう切留導水管を現在の塩ビ管から柔軟性に富むポリエチレン管に布設替えするほか、柳川浄水場に豪雨時にも取水を可能とするための原水貯留池を築造してまいります。
また、安全で安心な水道水を安定的にしかも安価に供給できるよう水道施設の維持管理・更新に取り組んでまいりましたが、引き続き配水管の耐震化を図りながら、老朽管の更新事業を実施するとともに、地震等による災害に備えるため下北山配水池の耐震化に続き三郷配水池の築造工事、貫見・長畑配水池の耐震化実施設計業務を実施してまいります。
 簡易水道事業につきましては、平成28年度までに経営の効率化を図るため、上水道事業との経営統合を計画し、段階的な準備作業に入ることとしております。そのハード事業としまして、用地区簡易水道では、紫外線処理装置設置のための実施設計を行い安全、安心な水道に努めてまいります。
 
次に福祉、健康、医療関係について申し上げます。
住み慣れた地域で安心して生活を送ることができるよう、地域福祉の諸課題解決に向けた取組みに努めてまいります。「赤ちゃんが誕生する前から」そして「乳幼児から児童期の成長」、「成人期の健康増進」、「高齢期の健康維持と介護の予防」等々と、それぞれの段階に応じた客観的で幅広い視野に立ち、行政が担うべき福祉とは何かを模索しながら総合的な地域福祉の推進を目指してまいります。
 各地域において、これまでにさまざまな機会の中で築きあげられてきた相互に支え合う体制の重要性に目を向けるとともに、日頃からの地域社会におけるコミュニケーションを深め、お互いの信頼を高めあうことは、多様化する福祉ニーズに対処するための大きな手掛かりとなるものです。
地域福祉の極めて重要な担い手である大江町社会福祉協議会、民生児童委員協議会などの関係団体には、さらなる活性化、充実のために支援を継続してまいります。
   本町における65歳以上の高齢化率は32.5%であり、加えて高齢者の単身世帯等の増加傾向が見られるところです。高齢者は、生活するうえで何かと支障が生じる機会が多くなりがちになることから、それらの実態を早期に把握するとともに、身近な相談なども受けながら、介護サービスへのアドバイスなどもできるよう高齢者等の訪問事業を推進してまいります。
 また、これまでの地域の方々から見守り活動にご協力いただいていることに加え、民間事業者などの活用を図りながら、多様な連携による見守り体制の強化を図ってまいります。
  介護保険制度における介護給付費は、増加の一途をたどっているところでありますが、介護予防事業等に積極的に取り組みながら、事業計画に基づく適切で健全な介護保険事業の運営に努めます。さらに、ニーズ調査による分析内容、今後必要となる介護サービスの見込量推計などを勘案したうえで、平成27年度から3年先を見越した新たな第6期介護保険事業計画の策定に取り組みます。
 また、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後までつづけることができるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援を一体的に提供しようとする「地域包括ケアシステム」構築の実現に向け、先ずは関係機関・団体との地域ネットワークを作ることなどから段階的に進めてまいります。
   障害の有無に関わらず、お互いの尊重の中で、誰もが日常生活・社会活動に普通に参加できるように、生活介護や就労支援などのサービスを適切に提供できる体制づくりに努めてまいります。
また、特別支援学校の分校が本町と近隣に設置されることとなりますが、利用環境の変化など個々の利用者にとっては解決し難い課題があることも事実であり、これらのことから多様な利用形態を想定しながら特別支援学校等通学支援事業を継続してまいります。
   子育てを社会全体で支えることは、地域社会の活性化と将来のまちづくりに欠くことのできないものであり「安心して子どもを産み育てられる町」の実現に向け、子育て世代への支援に努めてまいります。
 妊娠期の健康診査、乳児の全戸訪問と育児相談、特定不妊治療費助成制度などを継続するほか、新たに「すくすく出生祝金」を創設し、町民とともに誕生を喜び健やかな成長を支援するための事業を推進してまいります。
 平成27年度から始まる子ども・子育て支援新制度を見据えた「大江町子ども・子育て支援事業計画」を策定します。これは、子どもたちに良質な育成環境を提供し、一人ひとりが健やかに成長することができるよう、保育と幼児教育などの子育て支援を総合的に推進するものです。
 家庭の子育て支援に対するニーズ調査の分析結果や、検討を続けている町立保育園の効率的な運営や今後のあり方などについての検討結果を反映するものでもあり、必要となる保育の見込み量とその態様を明らかにしたうえで、子ども・子育て会議の意見なども踏まえ策定するものであります。
 また、保育料等を軽減する「いきいき子育て支援事業」などを継続し、経済的負担の軽減に努めるほか、早朝・延長保育、一時預かり、ファミリーサポートセンター事業などを、民間事業者とも連携のうえ、子育て家庭の就労と育児の共存を支援してまいります。
  疾病の早期発見と早期治療につながる健康診査や精密検査の受診がまだまだ低い状況にあることから受診勧奨の強化が必要です。さらに、生活習慣病等の予防は、その共通原因のひとつとしてあげられる食事や運動などの生活習慣の改善が喫緊の課題となっています。健康に関する教室等のさまざまな事業機会を捉え、予防知識の普及と周知に努め、町民が「自らの健康は自ら守る」という健康増進に取り組む意識づくりを推進してまいります。また、健康診査の新たな項目として「心筋のストレス度検査」を取り入れます。
健康増進の基幹的計画である「いきいき健康行動計画21おおえ」のこれまでの評価と健康寿命の延伸など今後の健康増進対策について見直しを行い、加えて、各種予防接種対策については、子どもから高齢者までの定期接種はもとより、任意接種の中でも実効性の高い子どものおたふくかぜなどの予防接種費用の一部助成を継続し、抵抗力が弱いとされる世代の健康維持に努めるほか、新型インフルエンザ対策などを推進してまいります。
   福祉医療については、これまでと同様に重度心身障害(児)者や子育て支援・ひとり親家庭等の医療費の一部を扶助し、中学3年生までの医療費無料化の制度を継続していきます。
   国民健康保険については、高齢化の進行、高度医療の進展に伴い医療費は年々増加傾向にあります。特に平成24年度は、前年度比で4千600万円の伸びとなりました。平成24年度において国民健康保険税率を引き上げ改定したことや、平成25年度の医療費が平年ベースに落ち着く見込みであることから、給付基金への積み立てができるなど、比較的安定した事業運営を遂行しているところであります。
今後とも、国保税及び国県交付金等の歳入確保に努めるほか、健康増進・生活習慣病予防等に関する啓発や各種保健事業を展開し、被保険者の健康づくりと国保財政の健全な運営に努めてまいります。
   市町村国民健康保険の広域化、いわゆる県単位化については、平成29年度の移行に向けて、県と市町村の担当者で組織する作業部会の中で、問題点や課題について協議・検討を重ねておりますが、市町村国保間において、医療費や所得、保険税等に格差があることから、調整が難航している状況にあります。被保険者のみなさんが健康で文化的な生活ができるように今後も引き続き県単位化に向けて作業を進めてまいります。
   後期高齢者医療については、被保険者の方が安心して医療を受けられるよう後期高齢者医療広域連合と連携しながら、市町村が担当する事務を実施してまいります。
 
次に教育の振興についてであります。
今、教育現場では、いじめによる自殺や体罰などが大きな社会問題となっております。
こうした中で、文部科学大臣の諮問機関である中央教育審議会は、教育委員会制度の改革について議論し、昨年12月に今後の地方教育制度の在り方について答申しており、政府ではこの答申を踏まえ、具体的な制度の改革が進められる動きにあります。
本町では、次代を担う健全な児童生徒の育成、時代の要請にあった教育内容の充実に努めるため、今後とも教育委員会の中立性・継続性・安定性を大事にしながら、開かれた教育委員会、そして町民から信頼される教育行政の推進に努めてまいります。
平成21年度に「共に学び合い高め合い生かし合う心豊かな人づくり」を基本理念に策定した大江町教育振興計画は、平成26年度で終了することから、新たに、平成27年度から平成31年度までの5か年計画を策定することにしております。
学校教育の振興では、「ふるさとに誇りを持ち、生きる力や社会に対応できる力を高め合う児童生徒の育成」を目指し、お互いの存在価値を認め合い、その関わりによって自分を高め他人を思いやることのできる「心やさしくたくましい子どもの育成」を基本目標として、大江町らしい共生教育の推進になお一層努めてまいります。
本年度は、小学校の理科教育の強化を図るため、実験に対してアドバイスを受けたり、授業のサポートをおこなう「観察実験サポーター」を週3日を基本に年間100日程度配置し、小学校理科の授業の充実を図ります。
また、学校生活や学習活動の中できめ細やかな対応が必要な児童生徒の支援を行う学習生活指導補助員の配置や、感性豊かな児童生徒を育成する教育文化振興基金を活用した「スクールコンサート」の開催を、引き続き実施してまいります。
昨年3月の重要文化的景観の選定を契機とし、地域の良さや歴史を知る「ふるさと教育」をより一層充実したものとするため、地域学習を更に展開していくほか、大江町学校教育センターの活動内容にも地域学習の視点を取り入れ、児童生徒だけでなく教職員が地域理解を深め、ふるさとを愛し、ふるさとを思う児童生徒の育成に努めてまいります。
学校の運営にあたっては地域との関わりや地域住民の方から生きた知識や技能を学ぶ体験学習、職業体験などを取り入れた総合学習を展開し、学校と地域との連携のもと開かれた学校づくりに努めてまいります。
なお、開校から一年を迎えた「左沢小学校藤田の丘分校」及び「大江中学校藤田の丘分校」については、児童自立支援施設である朝日学園との緊密な連携により、円滑なる学校運営に努めてまいります。
国際理解教育の推進としては、引き続き外国語指導助手(ALT)を学校に配置し、活きた英語教育・外国文化への理解を深める授業を展開します。また、子どもが大人へと成長していく過程において、自ら進んで異文化と交流し、または外国語の学習に取り組み続けていくきっかけとなることを目指し、新たに中学生海外派遣事業を実施します。
昭和51年に建設した町民武道館は、耐震診断を行った結果、震度6~7程度の規模の地震の震動及び衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性があると判定されたことから、耐震化工事のための実施設計に取り組んでまいります。
なお武道館の利用実態につきましては、中学校の体育の授業や、部活動での利用が大半であることから、今後は、利用実態に合わせ、学校施設として位置づけし、管理運営を進めてまいります。
 
次に社会教育についてでありますが、大江町中央公民館は、長く町民に親しまれる生涯学習の拠点施設として、全面改築をすることとし、昨年の8月以降、庁舎内部の職員での検討、更には、町民検討委員会から提出された意見・要望を踏まえ、最終的に大江町中央公民館整備計画として取りまとめたところであります。
現在、この整備計画に基づいて、平成25年度内には基本設計案を決定し,平成26年度は、実施設計及び現在の施設の解体を行い、平成27年度には工事を予定しております。
また、町民検討委員会からいただいた意見・要望については、今後とも実施設計などの段階で取り入れられるものについては可能な限り盛り込みながら、より良い公民館の整備に向け取り組んでいきたいと考えております。
また、東地区公民館につきましては、芸術文化の拠点として使用しておりますが、建築して20年以上経過しております。経年による不具合箇所や老朽箇所については、優先順位をつけて計画的に改修を進めているところですが、平成26年度はステージ上の吊物のワイヤーロープや滑車を更新し安全性を確保していくとともに、ステージ後方のホリゾント幕の更新を行ってまいります。
生涯学習を推進するにあたっては、町民一人ひとりが、それぞれのステージにおいて、生き生きと健康に暮らし、ふるさとである大江町をこよなく愛し誇りを持つことができるよう生涯学習の充実を図っていく必要があります。おらだのまち探訪、女子力アップ講座、シルバーカレッジ、趣味の教室など、各世代の身近な課題を学ぶ場や、交流を図る機会の提供に引き続き努めるとともに、生涯を通じた学習意欲を支援するため、放送大学受講者に対する助成を引き続き行ってまいります。
 芸術文化面については、趣味のサークルの発表の場としての「あじさい手づくり工芸まつり」や「文化祭」、「ひなまつりコンサート」を開催するとともに、その取り組みを通してサークル活動等の育成支援に努めてまいります。
 文化財保護についてでありますが、昨年3月「最上川の流通・往来及び左沢町場の景観」が文化財保護法に基づく重要文化的景観として県内で初めて国選定を受けたところであります。これまで文化的な景観を創り育んできた先人に敬意を表するとともに、町の大きな財産として町民各位と行政など関係機関が一体となって、“守り、伝え、活かす”ことが今を生きる私たちの責務であると感じております。重要文化的景観の選定により、暮らしと生活文化が織り成す景観の認識が一層深まり、次代につながるまちづくりの推進に向けて大きな弾みとなっていくものと考えております。そうしたことから、町民の方々のより一層のご理解を得るために町内小中学生による文化的景観絵画コンクールの実施、ワークショップの開催など普及活動に努めるほか、大江町の文化的景観の重要な構成要素である建築物の調査を引き続き行い整備計画を策定してまいります。
また、左沢楯山城跡保存整備事業では、昨年度発生した災害復旧を図るとともに、散策路などの史跡公園の整備に向け千畳敷などの発掘調査を行ってまいります。
 
次に体育振興につきましては、総合型地域スポーツクラブ「O―STEP」も3年目を迎えます。会員数も年を追うごとに増加し、現在の会員数は200名を越えております。平成26年度はクラブの更なる発展を目指し、指導者の確保や会員交流会の実施、気軽に参加できるスポーツ教室の開催など、今後とも生涯スポーツを楽しめる環境づくりを支援してまいります。
今年は4年に1度の町民大運動会開催の年です。全国的に地域コミュニティの衰退が憂慮されている中で、町内全地区が参加して行われる運動会は非常に有意義であると考えます。区長会をはじめ関係各位の協力を得ながら、スポーツを通して地域内の連携や親睦を深め、他地域又は世代間の交流を図ることにより地域の活性化に寄与してまいります。
また、「町民ソフトボール大会」や「舟唄健康マラソン」など、体育協会主催事業への積極的な支援によりスポーツを通じたまちづくりを進めてまいります。
 
次に危機管理対策について申し上げます。
昨年は山形県をはじめ、岩手県や秋田県、京都府や東京都伊豆大島など、台風や大雨に起因する土砂災害や浸水害等により全国各地で甚大な被害が発生しております。とりわけ7月18日から山形県を立て続けに襲った豪雨は、実に37年ぶりとなる甚大な被害を本町にもたらしました。幸い人的な被害は無かったものの、住家や農地、山林等に今もなおその爪痕を残しているほか、道路の寸断や断水等により町民生活に多大な影響を及ぼしたことは記憶に新しいところであります。
これまで大きな災害の発生が少ない本町において、あらためて災害の恐ろしさを痛感させられた7月の豪雨災害や3年前に発生した東日本大震災を教訓として、平成26年度も引き続き防災・減災対策を推進してまいります。
災害や有事の際に、住民の避難等に関する情報を瞬時にできるだけ広く伝達する手段の確保が必要であることから、防災行政無線の整備等に係る基本構想を作成し具体化に向けた検討を進めてまいります。また、被害状況の正確かつ迅速な収集による的確な避難情報の発令や応急対策ができるようシステムの構築をおこなってまいります。
避難所となる体育センターや防災拠点となる役場庁舎に太陽光発電装置を設置し、蓄電装置と合わせて災害時の万一の停電の際、町民への情報伝達等に不具合が生じないよう備えてまいります。
地域住民が相互に助け合う“共助”の精神に基づく自主防災組織は、災害発生時における避難誘導や救出活動等で特に重要な役割を果たすことから、自主防災組織の結成と育成を支援する取り組みを推進するとともに、町民一人一人が「自らの身は自らで守る」という防災の基本理念である“自助”の精神を醸成し、防災意識を高めるための啓発に努めてまいります。
地域防災力の充実を図るうえで、その中核的存在となる消防団の団員数は年々減少傾向にありますが、若者が入団しやすく、消防団員として活動しやすい環境を整えるため、消防団装備の充実や消防団協力事業所制度の活用を図るとともに、耐震性防火水槽の整備を進め消防力の強化を図ってまいります。
次に防犯交通安全対策についてでありますが、地域の安全安心をより一層強化するため防犯協会や交通安全関係団体などと連携協力しながら引き続き活動を展開してまいります。中でも防犯対策につきましては、各地域で管理しております約1,000灯の防犯灯について今後数年を目処に、現在の蛍光灯型の防犯灯から、長寿命で消費電力が少なく環境に配慮したLED防犯灯へ更新することを支援し、地域防犯力の強化と環境負荷の軽減を図ってまいります。また、交通安全対策につきましても、町民の交通安全意識の高揚を図るため交通安全町民大会を実施していくほか、安全施設などの設置について関係機関に対し引き続き働きかけてまいります。
 
 以上、平成26年度の町政運営に関する所信と主要施策の大要について申し上げましたが、町民の皆様、議員各位の町政に対する特段のご理解を心からお願い申し上げます。
 なお、詳細については、議事の進行に従いましてご説明申し上げます。

 


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