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【平成28年度】

 

 本日開会の平成28年第1回大江町議会定例会に臨むにあたり、平成28年度の町政運営に関する所信と主要施策の大要を述べ、議員各位をはじめ、町民の皆様のご理解とご協力をいただきたいと存じます。

 

 今年の冬は、例年にない雪の少なさから町民の皆様にとって暮らしやすい冬となりました。とはいえ、山に雪が少ないということは今年の夏に向け水不足が心配されるなど良いことばかりとはいえず、自然界が織り成す様々な現象の前に、人間がどうすることもできない現実があります。しかし、私達がこの町に住み続けられる佇まいは、先人が知恵を出し合い工夫を重ねながら築いてきた歴史があります。今後も自然と調和した生活を大切にし、英知と努力を結集し、みんなが力を合わせ助け合いながら、安心して暮らせる町づくりを進めていかなければならないと肝に銘じているところであります。

 

 予算編成時期に町長選挙が重なったため、平成28年度予算は、いわゆる「骨格予算」となりますが、今後の補正予算編成を含めた施政の方針は、公約として先の町長選挙で提示させて頂いた内容に尽きるものであります。

 町民各位の「心のひだ」に希望の光が灯るような選挙公約でありたい、町民の広くて深く、やさしくてしなやかな「心のひだ」に元気が出るような選挙でありたい、こうした思いで多くの町民に語らせていただきました。雪の中、靴も履かずに外に息せき切ってお出でいただいたお年寄り、パジャマ姿で夜勤明けの青年の小路での出迎え、下校中の小学校児童の「町長、頑張れ」の声援、選挙カーの大きな音に寄せられた「数多くの町民の応援」に、私自身が大きな元気を頂きました。

 町民の皆様お一人お一人が、国が唱えている「総活躍社会」に向かって希望を胸に「明るく広がり、強くつながる」大江町の新しい年度が始まります。今まで積み上げてきた多くの「誇り高い実績」をジャンプ台にした、「地方創生」の幕開けの年度であります。「大都会に負けるな大江、頑張れ大江町」のスタートであり、「世代の安定継続を画した光の見える大江町、踏ん張れ大江」創生であります。地域社会の資源活用の新しい発明を期した「すごいな大江、やったぜ大江町」の船出の年度であります。世界に冠たる日本国の「地方創生法」施行元年、町民共々、「夢と希望」を共有しながら、地道に着実に一歩一歩、次代に「明るく広がり、強くつながる」よう、課題を克服しながら事案を前に進めたいものであります。

 

 町民各位が「地方創生」の「①少子高齢化の克服、②大都市人口集中緩和策、③地域振興」の大きな国の施策を共有し、かの大国アメリカ合衆国の大統領ですら、「アメリカの国に期待を過大に寄せてはいけない、国が何をしてくれるかではなく、国に国民一人一人が何をしてやれるかだ」と説いた民主主義の原点に立ち返って、「明るく広げて、強くつなげる」営みを、「安定・安心」を軸足に更に強固なものにしたいものであります。

 思えば大江町誕生以来、営々と官民一体となった「まち・ひと・しごと」の「まちづくり」の結果、人口減少の比率も県内市町村に伍したものとなっており、インフラ整備も引けを取らない状況であると思っています。先哲の軌跡に改めて敬意と感謝の念を禁じえないものがあります。継続の事業、新規の事業を、広く町民のご意見を頂きながら、議会でご審議をいただき、誠心誠意執行にあたってまいります。

 「大江丸」の行く先は「町民の幸せ」が待っている港であります。「大江丸」は、大きな「日の本丸」の後先を航海する船団の一隻として、「大江町は本当に魅力的で良い町だ」と誇りと自信を持って、前進したいものであります。町民の皆様のご協働を切にお願い申し上げます。

 

 こうした町づくりの基本理念に立ち、平成28年度の町政運営にあたりましては、第9次大江町総合計画に大江町の将来像として掲げています「ここに暮らす喜びをみんなが実感できる町」の実現に向け、さらに加速化した取組みを進めてまいります。時あたかも「国構え」として地方創生が示され、今後5年間の進め方と目標として「大江町まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定したところであり、次の世代につながるよう着実、且つ大胆に町民個々人の「基礎体力」、集落地域の「総合力」、大江町の「明るく広がり、強くつながる友達力」が強化されるよう、国からの交付金なども活用しながら、人口対策や産業の活性化対策等を具体的に進め、諸課題の解決に向け取り組んでまいります。

 

 次に、町の財政状況についてであります。

 平成26年度決算における経常収支比率等の財政指標は、県内35市町村で「概ね中上位」に位置しており、これまでの着実な財政健全化の取組みにより、本町の財政状況は次の世代に引き継ぐための「基礎体力」を蓄えられた結果、中央公民館改築事業などの大型事業に着手することができました。これもひとえに、町民の方々のご理解と議員各位のお力添えがあったからこそであり、この場を借りて改めて感謝申し上げます。

 しかしながら、依然として脆弱な財政基盤の構造は変わらず、各種特別会計においては一般会計からの繰出金なしでは運営が成り立たない状況下にあるため、引き続き、財政健全化を念頭に置いた節度ある財政運営をおこなってまいります。

 歳入においては、本町の財政運営を左右する地方交付税は、国の地方財政計画の交付額ベースで微減の傾向が続いており、不透明な経済情勢などを踏まえると、今後の見通しは厳しい状況が続くものと見込まざるを得ません。一方、歳出面では、近年公債費(長期資金借入の返済額)が大幅に減少してきましたが、中央公民館改築事業等の大規模事業が今後も予定されていること、高齢化社会の進展による社会保障関係経費が増加の一途であることに加えて、物件費等の増加も懸念されるところであります。

 このような状況の中で、安定した財政運営に支障のないよう財政調整基金の積立金残高を確保するとともに、可能な限り特定目的基金の充実を図り、大規模事業等の財源として活用してまいりました。しかしながら、年々増加する行政需要、とりわけ社会資本整備事業の展開如何によっては大きな財源不足を招くことが予想されます。さらに、同時期に建設された公共施設等についても、経年劣化による大規模な修繕が必要となってきております。

 このため、今後の財政運営にあたっては、地方創生に係る事業の展開により国庫支出金等の特定財源を確保するとともに、これまで蓄えてきた財政調整基金や特定目的基金の活用度合いが増していくものと考えております。今後とも中長期を見据えた慎重かつ計画的な行財政運営に努めるとともに、自主財源となる基金の充実、事務事業の見直しと更なる効率化を図り、町民の目線に立ち身の丈にあった施策を展開してまいります。

 

 議員各位には、日頃から町づくりに対してのご提言、ご意見を拝聴する中で、私ども行政と一定の緊張感を保ちつつ、町民が主役となる町政の一翼を担っていただいていることに感謝申し上げますとともに、意思の疎通を図りながら更なる信頼関係のもと、町政運営を進めてまいりたいと存じます。

 

 それでは、平成28年度の主要施策について申し上げます。

 はじめに、まちづくり関係について申し上げます。

 「国立社会保障・人口問題研究所」による本町の人口推計では、45年後の

2060年に3,900人になると推計されていますが、昨年10月に策定した「大江町人口ビジョン」で示す将来の人口展望では、出生率の向上と転入者を増やすことで、4,900人~5,300人程度の人口を確保することができるとしています。こうしたことから「大江町まち・ひと・しごと創生総合戦略」に基づき、雇用の創出、移住・交流・定住の促進、結婚・出産・子育てに対する支援等、地域力の強化と暮らしやすい生活環境の整備を重点的に推進してまいります。

 定住人口対策として、昨年造成が完了した藤田地区住宅団地は、半数以上の区画が分譲済となっており若い世代の定住が期待されます。今後とも分譲特典をPRしながら早期の完売に努めるとともに、次の住宅団地開発に向け準備を進めてまいります。

 また、人口対策として結婚適齢期の早い段階での結婚により、二人目、三人目の出産につながることが統計的にも示されていることから、婚活コーディネーター施策等により、若い年代での結婚を後押しする取組みを進めてまいります。

 町内各区のアイデアを活かした地域活動を支援していくための集落活性化支援交付金については、引き続き活発な地域づくりに役立てていただくよう充実を図るほか、町職員が一緒に地域活動を行う「地域の魅力見つけ隊」の継続や、地域の魅力を発信する「地域おこし協力隊」は、農業分野に1名を追加し地域づくりを支援してまいります。

 また、町の地方創生の柱となる総合戦略との相乗効果につなげるため、町民が取り組む地域課題の解決や地域おこし活動など多彩な取組みに対する新たな助成制度を創設し、町全体の活性化に繋がる新たな活動を支援してまいります。

 交通弱者対策であるデマンドタクシーについては、引き続き継続するとともに、スクールバスと併用していた町営バスを切り離し、運行時間の見直しにより、JR左沢線との接続を向上させてまいります。また、デマンドタクシーと町営バスの運行を日曜、祝祭日まで拡充することなど、さらなる公共交通機関の利便性向上を図ってまいります。

 空き家の利活用対策では、空き家バンクへの登録促進補助や改修補助等を継続するほか、町が空き家を買い取り、リフォームを実施している住宅は、空き家利活用のモデル住宅として、今後の利活用の方向性を示してまいります。

 旧きらやか銀行大江支店の活用については、これまで東北芸術工科大学の学生を交え、町民とともに今後の活用方法について検討してまいりましたが、今年度は具体的な利活用に向けた建物改修の設計に着手するとともに、運営方法の検討を進め早期の完成を目指します。

 昨年オープンした山里交流館「やまさぁーべ」は、初年度としては計画を上回る来館者数があり、七軒地区の地域振興の拠点施設として期待されます。引き続き、さわらび会に指定管理を委託し、更なる利活用の拡大に向けた取組みを支援してまいります。

 ふるさとまちづくり寄附については、特産物の組み合わせ等により返戻品の種類を増やすなど、町民参加型の仕組みづくりを推進するとともに、特産品の一層のPRと町内の経済波及効果に繋がるよう積極的に推進してまいります。また、税制優遇措置が創設される企業版ふるさと納税についても併せて推進を図ってまいります。

 懸案の駅前公有地の活用については、町民アンケート等の意見を十分踏まえ、町の活性化につながる施設整備について具体的な検討を進めてまいります。

 

 次に農業の振興についてであります。

 本町では、高齢化等による農業者の減少などから、耕作放棄地の増大に歯止めがかからない状況にあり、本町の基幹産業である農業の将来に対し危機感を抱いています。こうした中で、農地の集約化と就農者の確保対策として、農業委員会法の改正により新たに設けられる、農地利用最適化推進委員の活動を通した農地中間管理事業の積極的な活用により農地集積を進め、現在各地域で頑張っている担い手への支援や、青年就農給付金を活用した親元就農や新規就農者の確保を進めてまいります。特に就農研修生受入協議会「OSINの会」活動と連携し、農業に魅力を感じている若者を積極的に受け入れるための取組みを進めます。併せてIターン者等の新規就農を支援するため、大江町型住宅を基本とした新規就農者支援住宅の建設や生活支援について、本町独自の施策として継続するとともに、新たに共同作業所や農機具バンク等の設置についてJA等と連携し、自立して営農できる条件整備を図ってまいります。また、地域の担い手となる農業経営体や高齢となった農業者でも安全に現役として営農できるよう農機具等の購入を支援してまいります。

 近年増加している有害鳥獣による農作物被害を防止するため、鳥獣被害防止対策協議会の活動に対し支援し、実行部隊である鳥獣被害対策実施隊の活動を充実してまいります。

 町内では、高品質で美味しい果樹をはじめさまざまな農産物を生産しており、この地域ならではの特長を生かした生産・販売に向けて、生産者、JA等と連携し農家の所得増加に繋がる取組みを進めます。特にスモモについては、味、品質、収穫期間の長さ等において、「日本一のすももの里づくり」を目指すとともに、一層の生産量の増加を目指し支援をしてまいります。また、リンゴの奨励品種への切り替えも引き続き支援し、生産額と所得の向上を目指してまいります。

 水田農業については、適正な生産調整の実施や食育による食糧自給率の向上、農業の持つ多面的機能の維持を図るため、経営所得安定対策を引き続き行ってまいります。また、6次産業化や農商工連携により農業所得の向上を図るため、経営体の法人化や加工品の生産・販売等についての検討や、大江東部地区と三郷地区におけるライスセンターの整備や経営等について、今後の在り方を検討してまいります。

 畜産の振興と町の新たな特産品化を目指し取り組んでまいりました「やまがた地鶏」につきましては、食鳥処理施設の完成により、消費者の要望に応えるべく、スムーズな運営開始に向けた準備をおこなうとともに、生産や鶏舎整備等への補助事業を継続し、引き続き生産拡大と販路拡大に向け一体的に取り組んでまいります。

中山間地域等直接支払制度は、24の集落協定により実施し、生産条件不利地域の農業生産活動や生活環境の整備等、農地の持つ多面的機能の維持・管理が自立的継続的に行われるよう支援してまいります。

 農業生産基盤については、今後の営農の在り方やそれに伴う農地の集約化、大規模化に対応した圃場の大区画化、水田畑地化等新たな農地利用や経営等について検討を進めてまいります。

 農業用水については、根幹的な土地改良施設である幹線用水路やため池等の老朽化に伴い、用水供給への不安と災害発生の恐れがあることから、県営農村地域防災減災事業として平成27年度に採択された大江中部地区と、平成28度に事業採択を予定している大江三郷地区で事業を実施し、施設の決壊等により発生する農地及び家屋等への被害を防止し、安定的な農業用水を確保してまいります。

 さらに、昨年度より取組みを開始した多面的機能支払を活用し、農地の維持及び資源向上活動や、多面的機能の増進を図るための取組みを8地区においておこなってまいります。これまで整備した農道や用排水路の機能保全と農村公園等の環境保全についても、大江町土地改良区等と連携のもとに実施してまいります。

 

 次に、林業関係であります。

 林家の所得向上と関連産業の振興を目的として、県が推進する「やまがた森林ノミクス」事業と連携し設立された西山杉利活用推進コンソーシアムの活動を通して、町産西山杉を住宅用材として活用するため、天然乾燥材の生産と貯木について林家・林業事業体・製材所等が協力して行う仕組みづくりと、販売の推進を図ってまいります。また、町単独事業により施業の集約化や搬出間伐の推進を引き続き図ってまいります。

 生産基盤である林道については、大瀬川左岸林道線の起点部橋梁の重量制限による通行規制の解消を図るため、平成27年度から進めてきた基本計画に基づき、沢口から道海間において県代行林道開設工事の採択を28年度に予定しており、大瀬川左岸地区の森林整備と、育てる林業から使う林業への転換を推進するため整備を進めてまいります。また、他の既存の林道については、機能が十分発揮されるよう維持管理に努めてまいります。

 ナラ枯れや松くい虫の駆除・予防についても、保全区域を中心として実施するほか、発生状況の調査を継続し今後の対策について検討してまいります。

 県の地すべり災害復旧事業については、平成27年度繰越事業の地すべり防止工事で対応していただき、御館山地区について引き続き工事を実施してまいります。

 昨年開催した全国山菜サミットを契機とし、山菜栽培技術の向上や新たな山菜料理・山菜の魅力等について普及促進を図るため、実行委員会・小委員会を中心に設立した山菜等利活用コンソーシアムが主体となって、農林業と商業・観光等を有機的に結び付け、豊富な森林資源を活かした新ビジネス創出と地元産業活性化の推進に結びつけてまいります。

 

 地籍調査は、土地に関する総合的な利用計画に資するものであり、固定資産税の課税の適正化・公正化はもとより地すべりや土砂崩れ等の災害復旧の迅速化、官民境界確認事務の効率化が図られるものです。平成27年度末の進捗率は93.6%で、残すところ6.8k㎡となりました。平成28年度は、国有林との境界付近の大字勝生、大字小清、大字沢口の3.0k㎡を現地調査いたします。現地は、林地で急峻な山間地であることに加え、土地所有者の大半は町外転出者で、高齢化と相まった世代交代により、境界の解る土地所有者が少なくなってきている状況から早期完了を目指してまいります。

 

 次に、商工労働についてであります。

 株価や円相場が不安定な中、雇用面では改善の兆しが見えてきているものの、今後においても国の経済政策や経済動向に注視しつつ、町内産業の活性化施策と雇用対策について商工会と意識の共有化を図りながら進めてまいります。

 雇用に関しては、企業が町民を正社員として新たに雇用する場合や、有期雇用から正社員に転換した場合に助成金を交付する制度を継続し、雇用の安定化に努めます。

 工業に関しては、産業立地促進資金貸付金による支援を継続するとともに、藤田地区への新たな工業用地の整備計画の策定と事業着手に向けて取組みを進めてまいります。

 商業に関しては、起業や新商品開発等への補助事業を継続するほか、中心商店街の活性化や6次産業化の推進につきましても、意欲ある事業者を支援してまいります。また、商工業の事業主や事業所が負担する資格技能取得に係る経費への支援も継続いたします。

 

 次に観光の推進についてであります。

 観光は総合産業と言われるように、農業・商工業・運輸・通信業など多くの分野に対し波及効果を与えることから、地域経済にとって重要視されている産業基盤の一つであります。本町では第8回やまがた景観賞の最高賞に輝いた歴史ある「水郷大江夏まつり大会」をはじめとして、「最上川舟唄全国大会」や「秋まつり」、「ひなまつり」など年間を通して数多くのイベントを実施しております。今年度は、昨年度初めて実施した柳川温泉雪まつりでの「冬花火」イベントの拡充など、新規の企画の導入を図り、観光物産協会などの町内関係団体と連携し、更なる誘客拡大に努めてまいります。

 また、単に既存の各種イベント開催の企画運営にとどまらず、「重要文化的景観のまち」にこだわりを持ちながら、JR東日本や仙台圏の旅行会社との連携による、左沢のまち歩き観光や農業体験などを組み合わせた新たなツアーの創設など、本町ならではの着地型観光を積極的に推進してまいります。

 さらに、近年の観光に対するニーズは多岐にわたっており、複数の観光地を結ぶ広域的な観光の取り組みが重要視されています。西村山管内1市4町で組織する「山形どまんなか探訪プロジェクト」において、平成27年度から国の地方創生交付金を活用し観光客の消費実態調査や観光情報の発信、「やまがた雪フェスティバルの開催」等に取り組んでおり、引き続き連携して事業の展開を図ってまいります。その他、「白鷹・朝日・大江広域観光推進協議会」や村山地域の7市7町で組織する「やまがた広域観光協議会」などとの連携により、さらなる広域観光の推進を図ってまいります。

 

 次に、道路交通網の整備、住宅施策、生活排水処理対策、水道関係について申し上げます。

 本町の道路整備の最重要課題に捉えています主要地方道大江西川線は、貫見~沢口間について事業が開始され、平成28年度には橋梁2橋と前後の道路整備工事が完了し、当該区間の供用が開始されるほか、新たな橋梁工事に着手される予定であります。「大江・西川両町道路整備促進期成同盟会」を母体とし、早期完成に向け国及び県当局に対する要望を強化してまいります。

 左沢高等学校から小見方面に至る町道藤田堂屋敷線については、今後のまちづくりを進めるうえにおいて重要な路線と位置付けております。平成27年度は町道西原藤田山線までの第1工区工事の施工と併せ、町道左沢小見線までの第2工区用地について地権者の皆様と協議をしており、引き続き用地の買収と物件補償を進め早期の完成を目指してまいります。

 また、安全な通行を確保するため町道の維持管理に万全を期すとともに、冬期除排雪についても充実を図ってまいります。更に橋梁の維持修繕についても国の補助事業を積極的に活用し、橋梁の長寿命化修繕計画に基づき大江大橋の高欄補修及び照明灯のLED化工事を実施するほか、道路のり面・擁壁などの総点検をおこない、危険個所の把握と修繕に努めてまいります。

 

 次に、住宅施策についてであります。

 62世帯ある公営住宅の適切な維持管理に努めるとともに、若者の定住促進や高齢者等の居住の安定化を図るため、新たな住宅建設について検討してまいります。また、住環境整備事業としまして、木造住宅の耐震化を促進するための「耐震診断士派遣事業」に取り組むほか、雪下ろし作業の軽減に資するための「雪から家をまもる事業」、町内産西山杉の需要を拡大するための「西山杉材利用促進事業」、並びに、住環境の整備と併せ町内経済の活性化を図ることを目的に、町内事業者が施工する住宅の新築、増改築に補助する「住宅建築奨励事業」を継続してまいります。

 続きまして、平成25年7月の豪雨災害による公共土木施設災害復旧についてであります。62箇所に及ぶ被災箇所の内、平成27年度までに57箇所が復旧いたしました。残る5箇所につきましてはすべて町道古寺神通峡線の遊歩道区間内でありますが、既に発注しており平成27年度繰越工事として、平成28年度降雪期前までに復旧する計画であります。

 また、西川町の小山地区につながる町道中の畑線の地すべり災害につきましては、平成27年内に復旧いたしましたが、約3ヵ年通行できなかったために維持管理ができなかった区間について、路面の洗掘等がひどい状況にありますので安全に通行できるよう早急に整備してまいります。

県の災害復旧事業につきましては、月布川流域において特に被害が大きかった3地区のうち、顔好・久保地区については平成27年度内に完成する予定であり、残った荻野地区と貫見地区の2箇所についても、早期に復旧されるよう引き続き要望してまいります。

 次に、生活排水処理対策についてでありますが、公共下水道事業の公共ますへの接続率は、平成27年度末で68.6%となる見込みであり、今後も接続率の向上と適切な維持管理を図るほか、大江町浄化センタ-長寿命化計画に基づき好気槽ろ床等の更新工事を実施してまいります。

 農業集落排水事業については、平成27年度末の接続率は78.8%となる見込みであり、今後とも地元の施設管理組合と一体となって適切な維持管理に努めてまいります。

 平成5年度より進めてきた合併処理浄化槽設置事業については、平成27年度末まで621基を補助対象事業として整備してまいりました。

 これまで補助金の増額を含め設置率向上に向けて取り組んできましたが、過疎化・少子高齢化等の影響により、まだまだ普及が進んでいるとは言えません。今後とも、公共水域の水質保全及び公衆衛生の向上に向け、広く加入の推進に努めてまいります。

 次に、水道事業であります。これまで簡易水道として事業を展開してまいりました用、黒森、道海の3地区を平成28年度より上水道区域に統合いたします。これにより簡易水道事業特別会計が廃止され、水道事業会計に一本化し、地方公営企業法に基づき会計処理をおこなうこととなります。近年の少子高齢化等に伴う給水人口の減少や施設の老朽化等、水道事業を取り巻く環境は厳しい状況にございますが、この度の統合を機に一層の経営健全化に努めていくとともに良質で安定した水道水を供給してまいります。

 平成28年度につきましては、用地区水源のクリプトスポリジウム対策として引き続き紫外線処理施設整備工事を行うほか、黒森地区の水源枯渇対策として貫見地区に加圧ポンプを設置し、切留・柳川水源からの水を安定供給できるよう整備いたします。また、配水管の耐震化を図りながら、老朽管の更新工事を実施してまいります。

 

 次に福祉、子育て、健康、医療について申し上げます。

高齢化が進む中、ひとり暮らし高齢者、高齢者夫婦の世帯が増加している状況から、高齢者世帯の雪下ろし・玄関除雪等への支援を継続するほか、高齢者等訪問事業とあわせ、民生委員・児童委員をはじめ、地域の方々からのご協力を得ながら日常的な見守りを進めてまいります。

 また、大江町社会福祉協議会、民生児童委員協議会、老人クラブ等の各種団体につきましても活動支援を継続してまいります。

 障害の有無に関わらず、お互いが地域の一員としてともに生きる社会をつくっていくことが必要であります。障害者の生活介護、就労支援をはじめとする障害福祉サービス、及び特別支援学校通学支援などの地域生活支援事業サービスを実施してまいります。

 介護保険事業については、今後とも利用者のニーズに応えられるサービスの提供と健全な事業運営に努めてまいります。また、制度改正に伴い、要支援認定者の訪問介護と通所介護を介護予防・日常生活支援総合事業に移行して実施するととともに、より一層介護予防を充実させてまいります。

 ひとり暮らし高齢者の緊急時の連絡手段を確保する緊急通報体制整備事業や、見守り付き配食サービス事業を継続するとともに、介護や医療、生活支援など、高齢者が安心して生活できるサービスの充実に向け、関係機関・団体と連携してまいります。

 少子化が進む中、妊娠・出産期からの切れ目のない子育て支援をおこなってまいります。保育については、民間事業者と連携しながら低年齢児保育、延長保育、一時預かり、短期入所、夜間預かりなど多様なニーズに応えてまいります。

 子育て世帯の経済的負担軽減のため、3人目以降のお子さんが幼稚園や保育所に入所した場合の保育料を全額補助する「いきいき子育て支援事業」、認可外保育所へ同時入所した場合の負担を支援する「すこやか保育事業」などを実施してまいります。

 放課後児童健全育成事業については、放課後児童クラブ送迎支援を継続するとともに、本郷東小学校付近に新たに放課後児童クラブを整備します。

 2つある町立保育園については、わかば保育園に統合することとし、屋外での遊び場なども広く確保し、自然に囲まれ、保育環境の整った大江町の子育ての拠点施設となるよう用地の確保などに着手してまいります。

 健康づくりについては、乳幼児期から高齢期まで、健康で豊かな暮らしを送ることができるよう各種事業を実施してまいります。

 母子保健については、乳幼児健診や育児相談のほか、新たに妊婦歯科検診を実施します。各種予防接種については、子どもから高齢者までの定期接種に加え、子どもインフルエンザなど任意接種にも費用の助成を継続してまいります。

 疾病の早期発見・早期治療のため各種健康診査を実施するとともに、健康相談、生活習慣病予防教室等による健康教育を進めてまいります。また、健康マイレージ事業を通し、「自分の健康は自分で守る」という意識づくりを進めてまいります。

 栄養バランスのとれた健全な食生活の推進を図るため、食生活改善推進協議会の活動を支援してまいります。

 

 福祉医療は、医療費の自己負担分を扶助する制度で、重度心身障害(児)者及びひとり親家庭等の医療費の自己負担分を、これまでと同様に県と町が2分の1ずつ扶助します。

 また、子どもを産み育てやすい環境の整備と、子どもたちのすこやかな育成を支援するため、山形県医療給付制度と併せ、制度の対象とならない小学4年生から中学3年生までの外来にかかる医療費の自己負担分を町が負担し、現在の中学3年生までの医療費の無料化に加えて、高校生までの拡大を検討していきます。

 国民健康保険は、平成24年度の国民健康保険税率の引き上げ改定後、医療費は落ち着いていることから、比較的安定した事業運営が図られておりますが、今後も、国保税及び国県交付金等の確保に努めるほか、被保険者資格適用の適正化、健康増進・生活習慣病予防等に関する啓発や各種保健事業を展開し、被保険者の健康づくりと、突如として高額な医療費が発生した場合にも耐えられる国保財政の健全な運営に努めてまいります。

 一方、平成30年度から国民健康保険の財政運営の責任主体を都道府県に移管することなどを柱とした国民健康保険法等の改正法が、昨年5月に成立しました。今年度は、国が示した運営方針などのガイドラインを基に、県と市町村が本県の望ましい運営方針や、市町村が納める納付金を算定する標準保険料率の設定など具体的な課題を検討していくこととなっております。

 75歳以上の高齢者を対象とした後期高齢者医療は、後期高齢者医療広域連合が財政運営をおこない、保険料の徴収や各種申請の受付等の窓口業務は、市町村が担うことになっております。引き続き、被保険者の方が安心して医療を受けられるよう広域連合と連携しながら、制度の安定的な運営に努めてまいります。

 

 次に、教育の振興についてであります。

 「共に学び合い 高め合い 生かし合う 心豊かな人づくり」を基本理念とした第2次大江町教育振興計画の2年目となります。幼少期から高齢期まで、それぞれの年代が、共に学び、共に生きることで、より充実した人生の実現のために、本町の良さを生かして、新しい時代を生き抜く人づくりをめざし取組んでまいります。

 学校教育の振興では、他者との関わりを通して、互いの存在を認め合い尊重しながら生きることにより、互いに高め合うことをめざす共生教育を積極的に推進していきます。共生の関係を重視した学校教育を推進することにより、確かな学力を身につけ、社会の変化に対応できる能力を育み、心やさしくたくましい児童生徒の育成を図ってまいります。自尊感情と思いやりを持ち、たくましく生きる力を育成し、いじめ・不登校のない学校をめざし、教育相談体制を強化するなど、心の教育の充実に努めてまいります。学校給食における地産地消を推進するとともに、心と体の源である食育の充実、生活リズムの確立、体力の向上と健康の増進をめざした健康教育を推進してまいります。

 本町独自の特色ある教育としては、重要文化的景観の選定を契機として、町の良さや歴史を知る「ふるさと教育」を推進し、ふるさとを愛し、ふるさとを想う児童生徒の育成に努めていきます。異文化理解と英語を使ったコミュニケーション能力の育成として、国際理解教育を引き続き推進するため、外国語指導助手(ALT)を中学校に配置し、学校で生活を共にすることにより、活きた英語教育・外国文化への理解を深める授業を展開してまいります。3年目となります中学生海外派遣事業では、事前事後研修の充実に加え、渡航先の米国において同じ中学生との交流などの活動を充実していきます。派遣生徒だけでなく、広く異文化理解の機会を確保するため、外国人招致事業を実施し、より多くの外国人とふれあうことができる環境整備を図り、社会や経済のグローバル化に対応し、国際社会に貢献できる子どもの育成に努めてまいります。

 学習環境の整備としては、中学校教科書の改訂年度となることから、これにあわせデジタル教科書や電子黒板を整備してまいります。スクールバスの運行については、遠距離通学児童生徒の登下校に対応していきますが、これまでの一般町民の利用の部分については町営バスとして分離し、各小学校に1台、大江中学校に2台を配置し、安全に配慮しながら運行してまいります。

 

 次に社会教育についてであります。

 生涯学習の拠点施設として改築工事をおこなっております中央公民館は、順調に工事が進んでおります。図書館を併設した施設として、7月中の供用開始をめざし整備を進めてまいります。生涯学習を支援する施設として、学習に役立つ資料・情報の提供、学習の機会や場を提供するところとして図書館を整備してまいりますが、町民から長く愛される、そして居心地のいい図書館にしていくこととしております。

 中央公民館が新しくなることを契機に、生涯学習講座をリニューアルし、生きがいと活力を創る生涯学習の推進をめざし、新たに町民大学を開講してまいります。知識を深め、心豊かな人生を送るための学びの場、仲間づくりの場として開講していきます。伝統文化や歴史、芸術、生活など楽しく学び、そこから見えてくる課題なども学習し、共に学び、共に楽しみ、共に生きるという理念で豊かな人間性を備えた人づくりとあわせ、社会力の向上をめざし取り組んでまいります。

地域における子育て環境の充実として、子ども会育成会連合会や放課後子ども教室において、工作や絵画、自然体験教室など様々な体験活動を展開し、子ども達の豊かな情操を育むとともに、青少年の健全育成に取組んでまいります。

 芸術文化に接し、うるおいのある生活を送ることは心の豊かさを育みます。趣味のサークルの発表の場としての「あじさい手づくり工芸まつり」や、芸術文化団体と連携した「文化祭」、そして「音の文化祭 ひなまつりコンサート」を開催するとともに、その取組みを通してサークル活動等の育成支援に努めてまいります。

 先人が残してきた伝統文化や文化財を守っていくことは、郷土の誇りを後世に伝えていくことであり、それは私たちの使命でもあります。県内で初めてとなる重要文化的景観の国選定は、町の誇りを高めることに繋がっています。町内の児童生徒を対象とした文化的景観絵画コンクールの実施や、町民そして左沢高等学校の生徒を対象としたワークショップを開催し普及活動に努めていきます。さらに、平成27年度から重要な構成要素に指定している原町通りの顔ともいえる家屋の補修工事に着手し、指定家屋の保存補修をおこないながら、最上川舟運の繁栄が偲ばれる町並みの保存を図ってまいります。

 左沢楯山城跡保存整備事業では、公園等の整備を含めた災害復旧事業が完了し、それと合わせて駐車場の整備も進めてまいりましたが、今後も史跡としての価値の保存を前提としたうえで、町の宝として保存整備を引き続きおこなってまいります。今年度は、散策路や案内看板等の整備に向けた計画策定とあわせ、整備に向けた発掘調査をおこなってまいります。文化財を活かす取り組みをおこなうことにより、郷土に対する誇りと愛着が育まれ、地域のイメージアップや新たな交流の拡大につなげるよう取組みを推進していきます。

 次に、スポーツは競技者に夢や希望を与え、地域には一体感や元気を与えるものであります。健康で心豊かな人生を送るためにスポーツは必要不可欠といえるもので、だれでも、いつでも、どこでも気軽におこなえる生涯スポーツを、体育協会などの関係団体と連携を図りながら推進してまいります。町民ソフトボール大会や舟唄健康マラソンなど各種スポーツ大会、総合型地域スポーツクラブ「О―STEP」でのスポーツ教室の開催など、スポーツを楽しめる環境づくりを進め、健康と元気を創る生涯スポーツを展開してまいります。

 

 次に危機管理対策について申し上げます。

 万が一の災害等に対する危機管理体制の強化が重要であるとの認識から、防災・減災対策の充実を図ってまいります。その中でも最優先に防災行政無線の整備を進め、全町民に正確な情報を迅速に伝達する手段の確立を図ります。平成28年度は工事に着手し、完成後早急に運用できる体制を構築するよう取り組んでまいります。

地域の安全・安心のため、昼夜を問わず活動していただいている消防団については、全国的に団員数が減少していますが、その中で女性の団員数は増加しております。本町消防団でも、町民の安全・安心のための活動に女性の力を活かしていくため、平成28年4月に女性消防隊を発足いたします。消防団の新たな力として女性目線での活躍を期待しております。また、災害現場等での団員の安全を確保するための装備や消防設備の充実を図り、消防力の強化を図ってまいります。

 平成28年2月8日に宮城県亘理町と、災害時における相互応援協定を締結いたしました。本町が単一自治体と協定を結んだのは初めてであり、協定に基づく応援が円滑におこなわれるよう平常時からの交流促進・情報共有に努めてまいります。また、災害に備えて、生活用品や食料品等の備蓄をおこなうほか、指定避難所への備蓄倉庫の整備を順次進めてまいります。

 

 最後になりますが、平成28年度当初予算の編成に当たりましては町長選挙の時期と重なったことから、経常的経費に加え継続事業や国・県との関係する事業等を含めた、暫定的な予算として取りまとめたものであります。

 今後、新たな政策的事業や公約として掲げてきた事務事業について、優先順位と財源等の検討を図りながら、4月末を目処に補正予算として取りまとめ、それをもって本来の年間予算として組み立ててまいりたいと考えております。

 

 以上、平成28年度の町政運営に関する所信と主要施策の大要について申し上げましたが、町民の皆様、議員各位の町政に対する特段のご理解を心からお願い申し上げます。

 


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