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【平成29年度】

 

 本日開会の平成29年第1回大江町議会定例会に臨むにあたり、平成29年度の町政運営に関する所信と主要施策の大要を述べ、議員各位をはじめ、町民の皆様のご理解とご協力をいただきたいと存じます。

 

 夏にも雪を残す朝日岳の秀峰は、雨と雪を表でもてなしながら、内で漉し取るように温め抱えて、月布川の源泉を生み出し続け、平成29年の早春も眩しいほどに輝いています。
 新しい年度には、「地方創生」の加速から次代に繋ぐ 慎重ながらも、大胆な施策が求められています。地方の「まち・ひと・しごと」が持っている潜在的な力を地方振興の要に据え、究極的には「自立した自治体の確立」への具体的な施策であります。お願いをしておりました「旧きらやか銀行」の改修に「日本国」からの交付金が決定いたしました。国家の本気度として、日本は小さな町を見捨ててはいないし、地方に「生きる力」を付けなければ日本の未来はないという強い決意を読み取れ、そうした思いを共有できた事に感動を覚え、感謝の念を禁じえないものがあります。
 大江町の現況が背負う諸課題は、町民一人ひとりに未来に向けて「もう要らないから無くす」のか、「まだ使えそうなので直す」のか、「新しいものとして創る」のか等々、「今までの大江町で良いのか」を問う大きく重いものがあり、施策執行の説明責任が強く求められる所以であります。
 日本国がなぜ山形県で大江町をたった1箇所、「重要文化的景観の町」に認定されたか、県内の多くで取りやめしている花火大会がある中、「水郷大江花火大会」が今も続いているのはなぜか、年間数万人のアルピニストを招く「朝日連峰」の魅力は何であろうか、最上川のほとりの「テルメ柏陵健康温泉館」と月布川の瀬音が聞こえる「柳川温泉」がもてる理由は何であるか、都会の生活から田舎の生活の場所として928ある全国町村の中から「大江町」を選ぶ理由は何であったか・・・・・、伝統を重んじながらも、時の流れの前後を見極め、次代に繋ごうと努力を重ねた先人の「偉業」とも言うべき軌跡には、実に誇らしいものがあったからではないか・・・・・、そして何よりも大江町民が暮らしのなかで、「つかず離れずの寄り添い」の心で「明るく広がり、強く繋がる」大江町のおおらかさをまだまだ健在させているからであり、県内35市町村で「人口の社会増」を果たした4市町の一つであったからであります。だからこそこの町は課題を克服できる可能性を信じたい。「待てば海路の日和あり」とは申せ、安全・安心に係る喫緊の課題等も多いのも事実でありますが、国・県の支援をいただかなければ成しえない事業もこれまた多いのであります。今やれること、時間をかけて着実に進めることが可能なこと、出来るように仕組みを作っておくこと・・等々、町民各位の総意をくみ取り、優先度を議会に諮り、安定した施策の実行を基本にした行政が大切であります。
 文字どおり「無い袖は振れない」のではありますが、ここ数カ年で町民ご協働のもと幾ばくかの「短い袖」が出来上がっています。元も子も無くなる袖の振り方では次代に言い訳できません、元に少し食い込むぎりぎり、時限を明示した「地方創生」の施策を、「まち・ひと・しごと」に基礎体力の強化を図ってまいります。個人もひいては社会も、艱難辛苦の難渋極まる一時期を乗り越えられるように、多様な支援を施策に組み込んでまいります。農林業の継続支援、担い手支援、商店街賑わい支援、中央公民館をはじめとした公共施設利用料の一部無料の継続、次代を担う新しい産業の起業への支援、地域の暮らしを支えるコミュニティ空間支援、児童生徒への「ふるさと大好き」応援、子育て支援、健康寿命長期化支援、生活道路整備支援など、総力を結集して取り組んでまいります。
 月布川に6橋が完成すれば、大江町の幹線「主要地方道大江西川線」は、田ノ沢と大井沢トンネル間を残して、完成の半ばに近づいているように思われます。今年度には、すでに完成した2つの橋に加えて3番目の橋には桁が架り、4番目にも着手が予定されています。5番目、6番目も順調に完成に向けた事業化が進んでいます。未着工の大井沢トンネルから田の沢間の完成を目指した具体的な動きを、大江・西川町民の総意として大きな形が見えるようにしたいものであります。千尋の谷に瀬戸大橋をしのぐような橋、色はツートンカラーで、赤黄色と薄緑の巨大な吊り橋、春の緑と秋のブナの紅葉に溶け合うような橋、夢なかりせば、物語なかりせば、人の動きは出てくるはずがない、若い次代を担う方々に「夢」と「希望」を与え続けたいものであります。

 

 議員各位におかれましても、日頃から町民と共に、「夢」を語り合い、「希望」を叶えるため、町づくりに対してのご提言、ご意見をいただければと思います。私ども行政と一定の緊張感を保ちつつも、意思疎通を図りながら更なる信頼関係のもと、平成29年度の町政運営を進めてまいりたいと存じます。

 

 まずは、町づくりにとって重要である財政状況について申し上げます。
 平成27年度決算における経常収支比率や実質公債比率等の財政指標は、県内35市町村で「概ね中上位」に位置しております。本町の財政状況はさまざまな財政健全化の取組みにより改善傾向にあるものの、依然として歳入に占める地方交付税の割合が38.4パーセントと依存度の高い財政基盤の構造は変わらないことから、引き続き、経常経費の抑制など財政健全化を念頭に置いた財政運営が必要であります。
 歳入では、町の財政にとって影響の大きい地方交付税は、国の地方財政計画でも今後も厳しい状況が続くものと考えなければならない状況であります。一方、歳出面では、近年公債費(長期資金借入の返済額)が減少してきましたが、平成27年度からの中央公民館改築事業や、わかば保育園整備事業等の大規模事業の実施により、財源として活用した過疎債等の元金償還が始まると公債費が増加に転ずること、社会保障関係経費の増加、公共施設等の経年劣化による大規模な修繕費用の増大、各特別会計が一般会計からの繰出金なしでは運営が成り立たない状況等を考えれば、これらの経費を抑制するには限界があり懸念されるところであります。
 このため、今後の財政運営にあたっては、地方創生に係る交付金等の特定財源を確保するとともに、ふるさとまちづくり寄付金の活用、財政調整基金への積立と特定目的基金の充実を図りながら、これらの財源を有効に活用し財政負担の平準化を図ってまいりたいと考えております。今後とも中長期を見据えた慎重かつ計画的な行財政運営に努めるとともに、町民の思いを第一に考えた施策を展開してまいります。

 

 それでは平成29年度の主要な施策について申し上げます。

 

 

 はじめに、まちづくり関係についてであります。
 まちづくりの基本は、町民一人ひとりが「主役」となり、まちづくりに関わることであり、魅力ある人づくりがこの町の将来にとって最も重要なことであると認識しております。
 「大江町まち・ひと・しごと創生総合戦略」に基づき、人を呼び込むための雇用の創出、移住・交流・定住の促進、結婚・出産・子育てに対する支援や環境の整備、そして地域力の強化と暮らしやすい生活環境の整備を力強く進めてまいります。
 また、平成26年度から29年度までの4か年としております短期行動計画の最終年度となることから、事業評価を行い平成31年を目標年次とする第9次大江町総合計画の締めくくりとなる残り2年間の行動計画づくりに着手します。
 定住人口対策については、昨年度に造成した藤田地区住宅団地が21区画のうち17区画が分譲され、若い世代の定住が促進されました。今後も分譲特典をPRしながら、早期の完売に努めてまいります。また、人口流出の抑制を図り定住人口を確保するため、新たな住宅団地の造成に向けて整備箇所等の検討を進めます。
 空き家の利活用対策では、空き家実態調査を行い空き家バンクへの登録物件の充実を図るとともに、そのリフォームに対する支援を拡充し空き家の利用をより一層推進してまいります。加えて、移住・交流を促すため、町の魅力を発信するための動画作成を行い全国に発信してまいります。
 また、人口対策として適齢期での結婚を後押しするため、結婚新生活支援事業や婚活コーディネーター事業を継続してまいります。
 町民が主体となって「大江町まち・ひと・しごと創生総合戦略」を推進するため、「未来へつなぐ元気活動支援事業」により、町民が企画する地域課題の解決や地域おこし活動など多彩な取組みを支援します。
 町内各区のアイデアを活かした地域活動を支援していくための集落活性化支援交付金については、これまでの制度に加え地域づくり計画の策定や計画の推進に対し支援します。
 交通弱者等への公共交通対策である町営バスについては、地方創生推進交付金を活用してワゴン車を導入し、利便性の向上と経費の節減を図ります。また、デマンドタクシーについては、これまでの運行エリアに小見、月が丘、市の沢区を追加し、さらなる利便性向上を図ってまいります。
 旧きらやか銀行大江支店を核としたまちづくり事業については、地方創生拠点整備交付金を活用した改修工事に着手し、年度内の完成と平成30年度のオープンを目指します。また、地域活性化に向けた社会実験を通し運営計画の磨きあげを行い、施設オープン後の安定的な運営の体制づくりを支援します。
 町の行政施設として中心的役割を果たしている役場庁舎は、平成24年の耐震化工事をはじめ時代にあわせて建物の改修を行ってきました。最近では高齢者や障がい者等が利用しやすい環境づくりが特に求められていることから、町民の要望が多い役場庁舎のエレベーター設置工事を実施してまいります。
 ふるさとまちづくり寄附金については、返礼品の拡充により前年度と比較し、約4倍に伸びてきております。魅力ある町内特産品のブランド化により、更なる返礼品の充実を図りながら、全国に発信することで町内の経済波及に繋がるよう積極的に取り組んでまいります。

 

 次に農業の振興についてであります。
 本町では、近年、Iターン者や親元就農等の新規就農者が増加傾向にあるものの、依然として高齢化等による農業者の減少が続き、米価の低迷による不安なども相俟って、主に水田の耕作放棄地の増大が懸念され喫緊の課題となっています。これらについては、昨年、新たに設けられた農地利用最適化推進委員の活動を通し農地中間管理事業を積極的に活用し、農地集約・集積を進めてまいります。
 就農研修生受入協議会「OSINの会」活動とも連携し新たに農業を志す若者を積極的に受け入れるため、農業次世代人材投資事業費補助金等の諸制度の活用を図るとともに、現在各地域で頑張っている担い手への支援を行ってまいります。
 また、県外等からの新規就農を支援するため、林業振興策と結び付けた大江町型住宅を基本とする新規就農者支援住宅の建設や生活支援についても引き続き実施するとともに、三郷地区に新たな共同作業所や農機具バンク等を設置し、独立して営農し定住しやすい環境整備を図ってまいります。
 本町では、生産者の高度な生産技術とたゆまぬ努力により、高品質で美味しい果樹を始めとした農産物を生産しており、所得のより一層の向上を目指し生産者、JA等と連携した取り組みを進めます。特に近年力を入れているスモモについては、第三世代の新品種の光李(ひかり)等の生産拡大と、スモモ狩り体験ツアー等の開催による知名度のアップと交流人口の拡大を図り「日本一のスモモの里づくり」を支援すると共に、リンゴの奨励品種への切り替えを推進し生産額と所得の向上を目指してまいります。
 新たな特産品として進めております「やまがた地鶏」については、需要の増加に対応するため、より一層の生産拡大を図るべく支援を継続するとともに、ヒナの供給について、県、やまがた地鶏振興協議会、飼養者等と連携し体制を確立するほか、大江ブランドとしての定着を図り販路拡大を目指します。
 近年増加している有害鳥獣による農作物被害を防止するため、新たに電気柵の設置補助事業を実施し、設置後の維持管理の方法等の検証を進め、あわせて鳥獣被害防止対策協議会の活動に対する支援や、実行部隊である鳥獣被害対策実施隊の活動の充実を図ってまいります。
 水田農業については、再生産費を賄える適正な米価の維持のため実施する生産調整や、食育を通した食糧自給率の向上、農業の持つ多面的機能の維持を図るため、経営所得安定対策を行ってまいります。また、農業経営の安定を図るため経営体の法人化に向け具体的な検討が必要となっています。更には加工品の生産・販売等の6次産業化等への広がりを画しながら、農業所得の向上、後継者育成につなげていきたいと考えております。
 中山間地域等直接支払制度は、引き続き24の集落協定により生産条件不利地域の農業生産活動や生活環境の整備等、自立的継続的な実施と農地の持つ多面的機能の維持・管理を図ってまいります。
 農業生産基盤については、今後の営農の在り方やそれに伴う農地の集約化、水田畑地化等新たな農地利用等の検討を進めるほか、根幹的な土地改良施設である幹線用水路やため池等においては、老朽化により決壊等の恐れがある農地及び家屋等への被害防止と、安定的な用水を確保するため、県営農村地域防災減災事業として大江中部地区と大江三郷地区の整備を、県と一体になり進めてまいります。また、農地の維持活動や多面的機能の増進を図るための取組を、多面的機能支払を活用し引き続き行うと共に、これまで整備した農道や用排水路の機能保全や農村公園等の環境保全についても、大江町土地改良区等と連携のもとに実施してまいります。
 次に、林業関係であります。
 山形県では、豊かな森林資源を活用した地域の活性化を目的として 通称「やまがた森林ノミクス推進条例」を昨年12月に制定し、種々の施策展開を図ることとしております。
 本町においても、林家の所得向上と関連産業の振興を目的に設立された西山杉利活用推進コンソーシアムの活動を通して、住宅用材として利用される優良な町産西山杉の天然乾燥材の生産・販売を、林家、林業事業体、製材所等が協力して行う仕組みづくりと、町単独事業により森林施業の集約化や搬出間伐等の推進を引き続き図ってまいります。
 生産基盤である林道については、県代行林道開設工事として平成28年度に採択された沢口道海線について、「使う林業」への転換を推進するため、早期完成を目指して事業を進めてまいります。また、他の既存の林道については機能が十分発揮されるよう維持管理に努めてまいります。
 県が実施している地すべり防止事業の御館山地区と、復旧治山事業の中ノ畑地区については、早期の完了に向け強く働きかけてまいります。
 特用林産物の生産及び販売促進については、山菜等利活用推進コンソーシアムが主体となり、栽培技術の向上や新たな山菜料理、山菜の魅力等について普及促進を図り、農林業と商業、観光業等を有機的に結び付け豊富な森林資源の新ビジネス創出と地元産業活性化の推進を図ってまいります。
 地籍調査については、境界確認事務の効率化や固定資産税の課税の適正化・公正化を図るため進めてきましたが、平成28年度末の現地調査における進捗率が96.87%となり、残すところ3.40平方キロメートルとなっています。今年度で林地調査を終了すべく、大字沢口、大字柳川及び古寺地内の大字貫見の3.30平方キロメートルについて補助事業を活用し現地調査を進めてまいります。

 

 次に、商工労働関係についてであります。
 今後の国の経済政策や経済動向を注視し、町内産業の活性化施策と雇用対策について、商工会と力を合わせ進めてまいります。
 特に、雇用に関しては、企業への補助制度を継続し雇用の拡大に努めるほか、人口減少対策、定住促進対策として若者の雇用の場を確保する必要があることから、藤田地区へ新たな工業団地を整備し企業立地を推進してまいります。
 商業に関しては、近隣に大型の商業施設等が増え町内での消費活動が減少している中、現状を分析し明るい将来を描く家業経営を目指す志が必要です。家業における新たな取組みをはじめ、起業や新商品開発等への補助事業を継続するほか、特産品づくりと大江ブランドを推進する取組みを支援してまいります。
 次に観光の推進についてであります。
 観光には、町のイメージを形づくり、人を呼び込み、町を活気付ける大きな役割と、町内における経済的波及効果が期待されます。本町では90年以上の歴史を誇る「水郷大江夏まつり大会」をはじめ、「正調最上川舟唄全国大会」や「秋まつり」、「柳川温泉雪まつり」、「ひなまつり」など年間を通して数多くのイベントを実施しております。また、今年は5年ぶりとなる「神通峡まつり」の復活等もあることから、観光物産協会等の町内関係団体と連携し、本町への更なる誘客拡大と観光産業の活性化に努めてまいります。また、「重要文化的景観のまち」にこだわりを持ちながら、JR東日本や仙台圏の旅行会社との連携により、左沢のまち歩き観光や農業体験などを組み合わせた新たなツアーの企画など、本町ならではの着地型観光を積極的に推進してまいります。さらに、観光に対するニーズは多岐にわたっていることから、新たに組織化された「フルーツライン左沢線活用協議会」における国の地方創生推進交付金を活用した事業への参画を図り、複数の観光地を結ぶ広域的な観光の取り組みを前進させてまいります。

 

 次に、道路交通網の整備、住宅施策、生活排水処理対策、水道関係について申し上げます。
 主要地方道大江西川線は、本町の道路交通網の要であり最優先の課題と考えています。貫見~沢口間に6つ計画されている橋梁のうち、昨年末に2橋が完成し供用が開始されました。平成29年度は3号橋(琴ノ沢橋)の上部工及び4号橋(巻渕橋)の下部工並びに地すべり対策に係る月布川の付替え工事が予定されております。「大江・西川両町道路整備促進期成同盟会」を母体とし、貫見~沢口間の早期完成はもちろん、田ノ沢~大井沢トンネル間の早期着手に向け国及び県当局に対し更なる要望に努めてまいります。
 今後のまちづくりの重要な路線として位置付け整備を進めている町道藤田堂屋敷線は、平成29年度は町営西原住宅から町道左沢小見線との交差点までの283mを第2工区工事として着手するとともに、今回の整備計画の終点となる町道諏訪堂中山線交差点までの460mを第3工区工事として測量設計を行い、早期の完成を目指してまいります。
 また、身近な生活道路である町道の整備と維持管理に万全を期すとともに、冬期除排雪についても充実を図ってまいります。さらに橋梁の維持修繕についても国の補助事業を積極的に活用し、柳川地内「青柳橋」の塗替え工事を行うほか、現在、通行止めの措置をしております貫見地内「陣の橋」の更新工事を実施してまいります。その他、道路のり面・擁壁などの総点検を行い、危険個所の把握と補修に努めてまいります。
 次に、住宅施策についてであります。
 最近の住宅に対する考え方の変化に伴い公営住宅の需要は多くなっていることから、若い世代の定住促進と高齢者等の居住の安定を図るため、新たな公営住宅の建設について検討し、用地の選定と測量調査を実施してまいります。
また、住環境整備事業として、雪下ろし作業の軽減に資するための「雪から家をまもる事業」、町内産西山杉の需要を拡大するための「西山杉材利用促進事業」、住環境の整備と併せ町内経済の活性化を図ることを目的に町内事業者が施工する住宅の新築、増改築に補助する「住宅建築奨励事業」を継続してまいります。
 続きまして、生活排水処理対策についてであります。
 平成28年度末の公共ますへの接続率は、公共下水道事業が70.5%、農業集落排水事業においては79.3%となる見込みであり、今後も接続率の向上と適切な維持管理に努めてまいります。平成5年度より進めてきた合併処理浄化槽設置事業については、平成28年度末まで631基を補助対象事業として整備してまいりました。公共水域の水質保全及び公衆衛生の向上の観点から、将来に向け取り組んでいかなければなりません。補助制度の優位性をさらにPRし設置率の向上に向け、今後とも広く加入の推進に努めてまいります。
 次に、水道事業であります。
 近年の少子高齢化等に伴う給水人口の減少や施設の老朽化など、水道事業を取り巻く環境は厳しい状況にありますが、経営の健全化に努めていくとともに良質で安定した水道水の供給に努めてまいります。平成29年度につきましては、村山広域水道からの受水費改定を受け、町の水道料金改定について検討を進めるほか、貫見配水池の耐震化工事や、藤田工業団地の拡張及び町道藤田堂屋敷線道路改良工事に伴う配水管の新設、布設替工事等を実施してまいります。

 

 次に福祉、子育て、健康、医療について申し上げます。
 本町の高齢化率は、35.9パーセント(平成27年国勢調査)となっています。ひとり暮らし高齢者の緊急時の連絡手段を確保する緊急通報体制整備事業を継続し、見守り付き配食サービス事業を週2回に拡大するなど、高齢者等訪問事業とあわせ、民生委員・児童委員をはじめ、地域の方々からのご協力を得ながら日常的な見守りを進めてまいります。あわせて、高齢者世帯の雪下ろし・玄関除雪等支援を継続してまいります。
 地域福祉の推進で中心的役割を担う大江町社会福祉協議会の活動充実と、そのための組織機構の見直しを支援してまいります。あわせて、民生児童委員協議会、老人クラブの活動支援を継続してまいります。また、介護や医療、生活支援など、高齢者が安心して生活できるサービスの提供体制整備に向け関係機関・団体と連携してまいります。
 障害の有無に関わらず、誰もが誇りと生きがいを持ち、共に生活できる社会を築き上げていくことが必要です。障害者の生活介護、就労支援をはじめとする障害福祉サービス及び特別支援学校通学支援、手話奉仕員養成講座などの地域生活支援事業サービスを継続して実施してまいります。
 平成9年に総合福祉施設らふらんす大江が開設して20年目を迎えます。同施設は、特別擁護老人ホームやデイサービス、障害者入所施設・通所事業所などの機能を有する福祉の拠点施設として大きな役割を果たしています。これまで町では施設の設置法人である碧水会に対し、山形県とともに公的支援としての特別事業費補助金を交付し支援してきましたが、平成29年度をもって終了となります。今後とも本町の介護福祉サービス、障害者福祉サービスの中心的役割を担う施設として位置付け、多様化する福祉ニーズに対応できるよう社会福祉協議会とも連携しながら地域福祉の充実に向け進めてまいります。
 介護保険事業については、平成12年度にスタートして以来、給付費は増加の一途をたどってきましたが、近年は減少・横ばいの傾向にあります。こうした状況や今後の制度改正に対応しながら、平成30年度を初年度とする第7期介護保険事業計画を策定し、各種サービスの提供と健全な事業運営に努めてまいります。また、高齢者が要介護状態にならないで、健康で生きがいのある日常生活を送れるよう、運動教室など一般介護予防事業の内容を充実してまいります。
 保育事業については、平成30年の町立保育園統合にむけて、子育て支援センターを併設するわかば保育園の増築工事を完成させるとともに、屋外の広場や駐車場の整備工事を行い、自然に囲まれ保育環境の整った大江町の子育ての拠点施設づくりを進めてまいります。また、統合後の保育園の運営に関しては、設置者である町が中心となり新たな社会福祉法人を立ち上げ、指定管理委託による運営を行う方向で検討してまいります。さらには、低年齢児保育、延長保育、一時預かり、短期入所、夜間預かりなど保育環境の整備について、民間事業者と連携しながらニーズに応えてまいります。3人目以降のお子さんが幼稚園や保育所に入所した場合の保育料を全額補助する「いきいき子育て支援事業」、認可外保育所へ同時入所した場合の負担を支援する「すこやか保育事業」などを継続し、子育て世帯の経済的負担軽減に努めてまいります。
 4月から新たに本郷東放課後児童クラブを開所します。これに伴い2つの小学校区において、全学年を対象として放課後児童健全育成事業が実施できることになり、保護者のニーズに合わせた運営を行ってまいります、
 健康づくりについては、乳幼児期から高齢期まで各世代に合わせた各種事業を実施しながら、健康寿命の延伸をめざしてまいります。
 母子保健については、妊婦検診、妊婦歯科検診及び乳幼児の健康診査、育児相談、訪問指導を実施してまいります。
 各種予防接種については、子どもから高齢者までの定期接種に加え、子どもインフルエンザなど任意接種への費用助成を継続してまいります。
 疾病の早期発見・早期治療のための各種健康診査については、これまでの健診項目に新たに胃がんリスク評価を加えて実施します。あわせて、健康相談、生活習慣病予防教室等による健康教育を実施しながら「自分の健康は自分で守る」という意識づくりを進めてまいります。
 生活習慣病予防として温泉効能を利用し町民の健康増進を目的とする「さわやか健康づくり推進事業」については、平成8年度の開始以来、内容の見直しを繰り返し行い現在に至っております。平成29年度においては限られた財源活用の観点から、補助率をこれまでの2分の1から3分の1に見直しを行い継続してまいります。
 健康づくりのためには、自発的に食生活や運動習慣を改善することが必要であり、栄養バランスのとれた食事が重要です。食生活改善推進協議会の活動支援等をとおし、健全な食生活の推進に努めてまいります。
 福祉医療は、医療費の自己負担分を扶助する制度で、重度心身障害(児)者、ひとり親家庭等の医療費の自己負担分を、これまでと同様に県と町が2分の1ずつ扶助します。また、子どもを産み育てやすい環境の整備と子どもたちのすこやかな育成を支援するため、山形県医療給付制度と併せ、制度の対象とならない小学4年生から中学3年生までの外来にかかる医療費等の自己負担分を町が扶助し、中学3年生までの医療費の無料化を継続してまいります。
 国民健康保険は、被保険者が減少傾向にありますが、近年医療費が落ち着いていることから、事業運営は比較的安定しております。今後も、被保険者資格適用の適正化や被保険者の健康づくりを進めるとともに、国保税及び国県交付金等の確保に努め国保財政の健全な運営をおこなってまいります。また、平成30年度から国民健康保険の財政運営の責任主体が県に移管することになっており、納付金の算定方法等を注視しながら、混乱なくスムーズに移管できるよう努めてまいります。
 75歳以上の高齢者を対象とする後期高齢者医療は、被保険者の方が安心して医療を受けられるよう後期高齢者医療広域連合と連携しながら、町が担当する保険料の徴収や各種申請の受付等の事務を実施してまいります。

 

 次に、教育の振興についてであります。
 「共に学び合い 高め合い 生かし合う 心豊かな人づくり」を基本理念とした第2次大江町教育振興計画の3年目となります。それぞれの年代の町民が、共に学び、共に生きることで、より充実した人生の実現のために、本町のよさを生かして、新しい時代を生き抜くための豊かな人間性を備えた人づくりをめざし取組んでまいります。
 学校教育においては、これまで進めてきた共生教育を柱として、学力の向上を目指すことはもちろん、多様化する社会に対応できる能力やたくましく生きる力を育成すると共に、いじめ・不登校のない明るい学校を目指して教育活動の充実に努めてまいります。
 本町独自の特色ある教育として、本町の良さや歴史を知り、ふるさとを愛し、ふるさとを想う児童生徒の育成に向け取組んでまいります。国際理解教育の一環として進めてきた中学生海外派遣事業は4年目を迎えますが、渡航に要する日数や研修内容を考慮し、行先を米国モンタナ州からグアムに変更し、研修期間を中学校の夏休みから春休みに変更して実施してまいります。英語学習の目標づくりとして、これまで生徒が任意で受検していた英語検定試験を3年生全員が受検することとし、英語学習を充実してまいります。子育て支援として教育費の負担軽減を図るため、中学校や高等学校への進学時等の経済的負担を少しでも軽減されるよう、小学校6年生と中学3年生全員の給食費を全額町が負担してまいります。無償化については、地方創生の期間にあわせ3カ年間実施していく予定としております。また、学校給食において地産地消に取組んでおりますが、新たに県立左沢高等学校で栽培された農作物も学校給食に用いることにし、食育の充実を図ってまいります。中学校の部活動の練習試合等での町外への送迎について、その一部をスクールバスで送迎することとし、保護者の負担軽減を図ってまいります。社会の出来事に関心を持ち、物事を深く見つめ考えるために、新聞を教育活動に活用する事業を中学校に導入いたします。県立左沢高等学校の支援として、JR左沢線の利用促進という観点も含めて、JR左沢線を利用して通学する生徒に対しJR定期券購入への助成を引き続き行ってまいります。
 次に社会教育についてであります。
 生涯学習の拠点として、新中央公民館「ぷくらす」が昨年7月にオープンいたしました。施設の使用料の無償化も行っており、多くの町民から利用していただいております。中央公民館が新しくなったことを契機に、生きがいと活力を創る生涯学習の推進を目指し、町民大学の開校に向け準備を進めております。共に学び、共に楽しみ、共に生きるという理念で、学び・語らい・遊びをテーマに掲げ、知識を深め、心豊かな人生をおくるための学びの場、仲間づくりの場として、おおえ町民大学「ぷくらすカレッジ」として開校してまいります。
 人生を豊かにするうえで読書活動は欠かせません。学習に役立つ資料・情報の提供、学習の機会を提供する場、町の情報を発信する場として、町立図書館の充実と利用促進を図り、町民が本にふれあう読書活動を推進してまいります。
学校外における青少年教育の充実に向け、町子ども会育成会連合会や放課後子ども教室において、工作や絵画、自然体験教室など様々な体験活動を展開し、子どもたちの豊かな情操を育てるとともに、青少年の健全育成に引き続き取組んでまいります。
 芸術文化を創造し、心の豊かさを育て趣味を通した交流の場としての「あじさい手づくり工芸まつり」や「文化祭」そして「音の文化祭 ひなまつりコンサート」を芸術文化団体と連携しながら開催しサークル活動等の育成支援に努めてまいります。また、教育文化振興基金を活用した音楽コンサートも開催し、芸術文化に触れる機会を創出してまいります。
 国選定重要文化的景観につきましては、ワークショップや絵画コンクールの実施、絵地図の作成に取り組み、その普及と活用に努めるほか、重要な構成要素に指定している家屋の保存補修工事を計画的に進め、最上川舟運がもたらした文化の薫る町並みの保存を図ってまいります。
 左沢楯山城跡につきましては、史跡としての価値の保存を前提としたうえで、町の宝として保存整備を行ってまいります。現在、散策路や案内看板等の整備に向けた計画の策定を行っており、その計画に基づき公園北側の八幡座地区周辺の樹木伐採を行い、公園から八幡座の眺望を確保し、散策路や案内看板整備の実施設計とあわせ整備に向けた発掘調査を行ってまいります。
 次に体育振興では、だれでも、いつでも、どこでも気軽に行える生涯スポーツを体育協会などの関係団体と連携を図りながら推進してまいります。町民ソフトボール大会や舟唄健康マラソン大会など各種スポーツ大会、総合型地域スポーツクラブ「О―STEP」でのスポーツ教室の開催など、スポーツを楽しめる環境づくりを進め、健康と元気を創る生涯スポーツを展開してまいります。
 陸上競技など全国大会に出場し輝かしい成績をおさめる町内のアスリートが増えています。関係する団体と連携し選手育成を図るとともに、出場される選手を応援し競技スポーツの育成を行ってまいります。
 よりよい環境のもとでスポーツができるよう体育施設の整備を順次行っておりますが、本年度は体育センターの屋根の一部塗装等を行ってまいります。

 

 次に危機管理対策について申し上げます。
 危機管理の最優先課題として取り組んできました防災行政無線は、4月から運用を開始し町民に正確な情報を迅速に伝達できる体制を整えて、地震、火災、水害、国民保護事案など万が一に備えると共に有効に活用を図っていきます。
 地域の安全・安心のため、災害対応のみならず活動していただいている消防団については、団員の確保が喫緊の課題となっています。そんな中、昨年は女性消防団員の活動がスタートし新たな力として活躍しております。今後は機能別消防団員の取組など全国的な事例を参考とし団員確保の取組を進めます。また、災害現場等での団員の安全を確保するための装備や消防設備の充実を図り、消防力の強化を図ってまいります。また、地域防災の要である消防団の地域防災力の一層の強化を図るため、国(消防庁)から町に対し平成29年度中に救助資機材搭載型消防ポンプ自動車1台が無償貸付けされる旨の内示をいただいたことから消防機能強化に活かしていきます。
 平成25年、26年度と連続して起こった町内の豪雨災害の復旧工事もほぼ完了した今、水害の記憶や教訓が少しずつ忘れ去られようとしております。このような時こそ、町民の記憶にとどめ災害に備える心を持ち続けることが重要です。今年は本町に過去最大級の災害をもたらした「羽越水害」から50年の節目の年になることから、国土交通省と協力し6月中旬に「巡回パネル展」を開催し、羽越水害の記憶を振返り今後も身近に起こるであろう災害に備える気持ちを醸成する取組を進めます。また、災害に備えて、生活用品や食料品等の備蓄をおこなうほか、指定避難所への備蓄倉庫の整備を順次進めてまいります。

 

 以上、平成29年度の町政運営に関する所信と主要施策の大要について申し上げましたが、第9次大江町総合計画に掲げております町の将来像、「ここに暮らす喜びをみんなが実感できる町」の実現に向け力強く進めると共に、3年目を迎える「大江町まち・ひと・しごと創生総合戦略」の着実な前進により、人口対策や産業の活性化対策に取り組んでまいりますので、町民の皆様、議員各位の町政に対する特段のご理解を心からお願い申し上げます。
 


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